プジョー、”リヤウイング追加”アップデートで9X8の弱点を克服できた? ディ・レスタ「フィーリングはかなり変わった」
ポール・ディ・レスタは、プジョーが2024年シーズンのWECに向けて9X8を開発する中で、その根本的な弱点を克服する必要があったと語った。
プジョーのLMH車両である9X8は、2022年シーズン途中でWEC(世界耐久選手権)にデビューしたばかりだが、プジョーは2024年に向けてレギュレーションで認められている、いわゆる”エボジョーカー”の一部を使用し大幅な変更を進めている。
アップデートについてドライバーのポール・ディ・レスタは、9X8が抱えていた根本的な弱点を克服する必要があったと語った。
目に見える最も大きな変化は、12月のポール・リカール・テストで目撃されたように、リヤウイングの追加だ。これに伴いタイヤサイズも変更され、前後13インチ幅のタイヤから前12.5/後14インチとなっている。
このアップデートは、9X8にとって最初のフルシーズンとなった2023年にル・マン24時間レースでは一時トップを走り、モンツァでは3位表彰台を獲得したものの、他5レースは上位を走るペースが足りなかったという結果を受けてのものだ。
ディ・レスタ曰く、プジョーはウィングレスの9X8がライバルに後れを取っている部分を特定することができ、その弱点に対処するために行なった変更によってドライバーが自信を得たという。
「僕たちのマシンが他とどう違うのかは明らかだった。ルールがどのように決定されたかが、昨年僕たちが使っていたマシンの方向性を決定づけたと思う」とディ・レスタは語った。
「開発を通じて、またライバルとの対戦を通じて僕らの弱点が見えてきた。ライバルが常に前進してきたことを過小評価することはできない」
「新しいベンチマークである昨年のトヨタは(開幕戦)セブリングで違いを見せつけた」
「僕たちにとって最も重要なことは、そのステップに進む準備ができたら、可能な限りのことをやろうとすることだ。でも、競争相手とのラップタイム差を見るまでは、いい仕事ができたかどうかはわからない」
「外観という点では少し変わるだろう。それぞれ意見はあるだろうけど、僕たちにとってはマシンのフィーリングを良くすることが重要なんだ。ドライバーに自信を与えることが、耐久レースでは大きなことだからね」
プジョーはアップグレードされた9X8のデビューの正確な時期を明らかにしておらず、3月上旬にカタールで開催されるWEC開幕戦に間に合うかどうかも分かっていない。
ディ・レスタも、新しいマシンの感触を明かすに留め、WECでハイパーカーのライバルたちと直接対決するまで、このクルマの競争力を判断することは不可能だと述べた。
「僕たちはこのクルマのエレメントを走らせた。そうだね、フィーリングはかなり違うよ」とディ・レスタは言う。
「ドライバーとしては、僕たちが望んでいたような方向のフィードバックがより得られるようになった。かつてのマシンでライバルたちとレースをするのは大変だった」
「僕たちには強みがある。エアロやメカニカル面だけでなくね。僕たちはそれに取り組んできた」
「最も重要なことは、部門の全員が一丸となることだと思う。このクルマを設計したのは新しいチームだった。前進するために必要なデータを収集した後、それをすべて活用したんだ」
「それが主な改善点だ。でもこのマシンが他とどのようなレースをするのか見るのを楽しみにしている。重要なのはより上位でレースができるかどうかだ」
プジョーは今年、WECのドライバーラインアップを再編成しており、ディ・レスタはロイック・デュバル、ストフェル・バンドーンと94号車に乗ることになる。
一方93号車は、ニコ・ミューラーとジャン-エリック・ベルニュ、ミケル・イェンセンがドライブを担当する。
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