デュバル、プジョーのハイパーカー1年目は「トヨタに匹敵するパフォーマンスは期待していない」
ロイック・デュバルは、2022年からWECに参戦するプジョーが1年目からトヨタに匹敵するスピードを見せられるとは思っていないという。
Peugeot Hypercar 9X8
Monza Eni Circuit
2022年からWEC(世界耐久選手権)にハイパーカー(LMH)規定の『9X8』で参戦する予定のプジョー。2012年にLMP1プロジェクトを終了して以降、10年間遠ざかっていた耐久レースのトップカテゴリーに復帰することになる。
プジョーのニューマシン『9X8』は先日、初走行写真が公開されたばかり。本格的な走行テストの実施予定は公開されていないが、2021年中に行なえるかどうかという段階だ。
プジョーのドライバーのひとりであるロイック・デュバルは、プジョー9X8が初年度から、すでにLMH車両を1シーズン走らせたトヨタに匹敵する競争力を発揮するのは難しいと考えているようだ。
トヨタのLMH車両である『GR010 HYBRID』は、先代のハイブリッドLMP1車両であるTS050よりも規定によりパフォーマンスが低くなっており、技術的にも複雑ではなくなっている。それでも独自の技術的な課題を抱え、ル・マン24時間レースでは燃圧の問題で危うく勝利を逃しかける事態にも陥った。だがトヨタはすでにそうした問題を乗り越えた。
プジョーと入れ替わるように2012年からWECに参戦し、挑戦を続けてきたトヨタに対抗するのは、簡単なことではないとデュバルは考えているのだ。
「新車とはいえ、トヨタはここ数年の経験を持っており、ハイブリッドシステムについても多くの知識を持っている。通常、信頼性を獲得するまでには時間がかかるものなんだ」
「それにパフォーマンスも追求しなくてはいけない。パフォーマンスと信頼性はあまり一致するものでもないから難しい」
「トヨタと同等かそれ以上の性能と信頼性を、すぐに実現するのはとても難しいことだ。そんなに簡単なら、多くの人たちが参入して、すぐに活躍しているだろう」
「初めからそれを目標にすることはできない。時間がかかるのは当たり前。サプライズもあるだろう。間違いなく、予想外の問題が見つかるだろう。それも車両開発の一部だ」
Peugeot 9X8
Photo by: Peugeot Sport
リヤウイングのない、斬新なマシンとして発表された9X8。非公開テストの走行写真ではリヤのタイヤハウス付近には新たに空力付加物が確認できる。ただ、リヤ中央部は画像が加工され、リヤウイングが搭載されているかどうか、確認できないようになっていた。
プジョーは以前、9X8の初期テストを実施した後に、2022年シーズンのどの段階でWECへの参戦を開始するかを判断するとしていた。当初のコンセプト通り、リヤウイングなしでも問題ないのか、といった点もプジョーの復帰時期に影響してくるだろう。
デュバルも、2011年以来となるプジョーのル・マン参戦を果たすのを見たいとしながらも、その決定はマシン開発がどの程度進んでいるかにかかっていると考えているようだ。
「クルマがどのように生まれるか、最初からどのようなパフォーマンスを見せてくれるか、どれだけの開発をしなければならないかによって、(参戦開始時期が)変わってくるので、はっきりとは言えない」
「来年のル・マンにこのマシンがあれば最高だし、メーカーにとってル・マンに出ることは常に目標なんだ。でも、自分たちのマシンが自分たちの望むレベルに達していることを確認しなければならないので、今のところ、何が計画されているかは分からないんだ」
「もちろん、誰もができるだけ早くレースに出られるように努力しているが、開発にどれだけの時間がかかるかは、始まってみないと分からない」
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