フェラーリ、ル・マン24時間でのタイヤ温度”監視徹底”を求める。ウォームアップで秀でるポルシェ牽制?
フェラーリは、参戦するル・マン24時間レースのハイパーカークラスにおける、タイヤの温度管理に対する監視を強化するよう求めている。
フェラーリのグローバル・エンデュランス部門の責任者であるアントネッロ・コレッタは、今週末のル・マン24時間レースにおいて、タイヤ温度に関する監視を徹底することを求めた。
世界耐久選手権(WEC)は昨シーズンからタイヤを予熱するウォーマーの使用を禁止しているが、昨年のル・マンでは安全上の理由から規制を緩和し、ウォーマーの使用が許可された。
今年のル・マン24時間レースはこの特別措置がないため、タイヤ交換を行なった直後はタイヤが冷えており、温まるまで大きくペースダウンを強いられる。しかしコレッタは、”あるメーカー”が抜け穴を利用してアドバンテージを得ている可能性があると示唆した。
「過去のレースでは、”誰かさん”がタイヤを温めるのがとても上手だったのを目の当たりにした。ここのようなサーキットでは、コールドタイヤで走ると15秒以上(ラップタイムを)ロスしてしまうんだ」とコレッタは語った。
「オーガナイザーがクルマに装着する際のタイヤ温度を管理することは重要だ。このルールは尊重されなくてはいけない」
「タイヤの温度をチェックし、すべてのメーカーがルールを守るようにしなければならない。ル・マン24時間レースの結果が、夜やその他の難しいコンディションでのタイヤのウォームアップで決まることは望んでいない」
#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen
Photo by: Rainier Ehrhardt
コレッタが言及した”誰かさん”は、おそらくポルシェのことだろう。ポルシェ963は今季の様々な時点で、タイヤのウォームアップに関して明確なアドバンテージを持っていたようだ。
コレッタは、レース中にルールが正しく取り締まられることを期待していると付け加えた。
「私はそれが実現すると確信している。すべてのタイヤ温度が同じであることを保証するために、統括団体(FIA)が何か考えていると確信している」
FIAは、ル・マン24時間でタイヤ温度のチェックが行なわれていることを認めたものの、コレッタのコメントに対してそれ以上の反応を示すことなく、どの程度の許容範囲が設定されているのかも不明だ。
ハイパーカークラスの単独タイヤサプライヤーであるミシュランは、レギュレーションに抵触する可能性のあるタイヤを履かないようにチームに助言するため、自社のエンジニアに指示していると認めていた。
WECの競技規則にはタイヤの温度に関して次のように定められている。
「タイヤの温度を(周囲温度と比較して)直接または間接的に変化させようとするいかなるプロセスも禁止されている」
「これには、クルマのサスペンションコンポーネント、ホイールハブアッセンブリー、ブレーキシステムの加温、ホイールを洗浄する際の温水システム/エレメントの変更も含まれるが、これらに限定されるものではない」
従来、WECのタイヤは、各チームのピットガレージの奥にあるオーブンや、タイヤに巻くウォーマーで予熱されていた。
そうした行為がWECで禁止されたのは、環境保護の観点から出されたものだ。ミシュランがコールド状態からの走行を前提として開発されたタイヤの導入と合わせて、ウォーマーの使用が禁止されている。
しかし昨年のル・マンを前に開催されたスパ戦では、寒いコンディションだったこともあって、ル・マンでは一時的に規制が緩和された。
ル・マンのオーガナイザーであるACO(フランス西部自動車クラブ)は昨年5月、規制を一時的に緩和することで「タイヤメーカー、チーム、ドライバーに、2023年シーズンの残りのレースに向けて、冷えたタイヤをどのように温度上昇させるかについて理解を深める貴重な時間を与えることができる」とコメントしていた。
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