WEC開幕戦でPPデビューのフェラーリ、決勝は3位もトヨタに勝てないことは分かっていた?「我々は“目標”を達成した」
WEC開幕戦のセブリングでポールポジションを獲得したフェラーリだが、決勝レースで王者トヨタに挑むことは期待していなかったようだ。
2023年の世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルで、フェラーリのハイパーカー『499』はポールポジションを獲得するなど鮮烈なデビューを飾った。決勝ではトヨタGR010 ハイブリッドのワンツーとなったが、フェラーリ曰くトヨタ勢のレースペースに及ばないことは分かっていたという。
フェラーリのスポーツカーレース部門の技術責任者であるフェルディナンド・カンニッツォはレース後、ポールを獲得した50号車のアントニオ・フォッコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン組がトヨタ勢に次ぐ3位に入ったことに満足しているとコメントした。
「我々はポールを獲得したが、レースはまた別の話だということは分かっていた」
「ポール獲得はこれまで我々がやってきたことが素晴らしいものだということを示してくれたが、同時にこれが単なるステップに過ぎないこともよく理解していた」
「表彰台は良い結果だと言える。これは我々の考え得る最高の結果だった」
Photo by: JEP / Motorsport Images
フェラーリが耐久レースの最高峰クラスに参戦するのは実に50年ぶりとなったが、カンニッツォはAFコルセが運営するファクトリーチームは目標を達成したと話した。
「2台のマシンが問題なく走ることが第一の目標だった。そして第二の目標は表彰台……これも達成できた」とカンニッツォは言う。
「最初のレースとしては満足しないといけない」
フェラーリのスポーツカー部門のトップであるアントネッロ・コレッタもカンニッツォのコメントに同意し、次のように述べた。
「表彰台でフィニッシュしたいと思っていたことを考えると、我々は目標を達成することができたと言える」
「さらにそこにポールポジションが加わった。我々は嬉しく思うと同時に、まだまだ先が長いことも自覚している」
そしてカンニッツォは、トヨタの2台が8時間のレースでフェラーリ50号車を2周遅れにしてフィニッシュしたことについて、「経験の価値を証明した」と語る。そしてフェラーリ勢はトヨタ勢と比べ、トラフィックとタイヤの摩耗に苦しんでいたと分析した。
「我々はもっと多くの経験を積み、データを解析して何をすべきか考える必要がある」とカンニッツォは言う。
「改善できるところは色々ある。これは元々予想していたことだ」
「我々がとても難しいと感じたのは、トラフィックの中にいる時だ」
「デグラデーションも改善できるはずで、我々はセカンドスティント終盤で苦しんでいた」
50号車が3位に入ったフェラーリだが、アントニオ・ジョビナッツィ、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドが駆る51号車は、トヨタから11周遅れのクラス7位。彼らはGTE Amのフェラーリとターン15で軽く接触したことでコントロールを失い、続くコーナーでスピンしてポルシェのGT車両と接触。サスペンションの修理が必要となり、作業に20分近くを費やした。
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