WEC COTA

フェラーリ、“7時間54分レース”となったWECスパの抗議でヒアリングに出席へ

フェラーリは、WECスパの結果に対する抗議が却下されたものの、すぐに上訴。火曜日にジュネーブでこの件のヒアリングが行なわれる予定になっている。

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

写真:: JEP / Motorsport Images

 世界耐久選手権(WEC)に参戦しているフェラーリ・AFコルセは、WEC第3戦スパ6時間レースがフィニッシュ予定時刻を過ぎて再スタートされ、結果としてワンツーフィニッシュを失った件について、FIA国際控訴裁判所でヒアリングを受けることになった。

 5月11日に決勝レースが行なわれたWECスパはレース後半、フェラーリが50号車と51号車によるワンツー体制を構築していた。そんな中、アール・バンバーが駆る2号車キャデラックがLMGT3車両とケメル・ストレートで絡んで大クラッシュを喫すると、レースは赤旗中断となった。

 フィニッシュまで残り2時間を切っていたタイミングのクラッシュであり、バリアの修復が長引いたことでフィニッシュ予定時刻だった現地時間19時より前のレース再開は不可能な状況だった。

 そのままレース終了となるかと思いきや、スチュワードはセッションを19時10分に再開し、そこから1時間44分のレースを行なうことを決定した。この決定により、赤旗中断の直前にピットインしていたポルシェ勢(JOTAの12号車とファクトリーチームの6号車)が大きく得をする形となり、再開後のレースでは12号車、6号車がワンツーフィニッシュ。フェラーリ勢は3位、4位となってしまった。

 これを受けてフェラーリは、スチュワードの裁定と暫定結果に対する抗議を提出したのだが、FIAの国際競技規約では「審査委員による裁定を抗議の対象とすることはできない」としており、抗議は棄却される形になった。しかしフェラーリは諦めず、その翌週に上訴権を行使していた。

 フェラーリは、フェラーリのグローバル・エンデュランス部門の責任者であるアントネッロ・コレッタが上訴を進めることを確認した際に説明した立場を改めて表明した。コレッタは、今後のためにルールの明確化を望んでいると語っていた。

 AFコルセ・ハイパーカー・チームのチームマネージャーであるバッティ・プレグリアスコは、WEC第6戦が開催されたオースティンでmotorsport.comに次のように語った。

「なぜ我々が抗議をしたのか? それはこういうことが再び起こり得るかどうかを理解したいからだ。なぜならそれは、競技面で影響を及ぼす可能性があるからだ」

 レース時間の延長は、2012年に復活したWECの歴史において前例がないとは言わないまでも異例なことだったが、シリーズの競技規則では認められていることだった。

 レギュレーションには次のように定められている。

「状況に応じて、スチュワードはレースタイムを中断および/または変更する決定を下すことができる」

「これは競技時間(スパの場合は6時間)を超えてはならない」

 レース後にFIAから発表された説明文には、スパでのレース時間をフルに消化するという決定について「6時間のレースを想定して戦略を立てていた競技者にとってスポーツの公平性を確保した」と記されている。

 国際競技規則によると、スチュワードの決定に対しては抗議できないため、フェラーリの最初の抗議は認められないと却下されている。

 なお、WECスパでトップチェッカーを受けたJOTAは、代理人がヒアリングに出席することを認めている。

 

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 トヨタ7号車、逆転勝利がペナルティでフイに。黄色いフェラーリ83号車が初勝利|WECオースティン
次の記事 オースティンでのWEC制したフェラーリ83号車、悔しいリタイアに終わった「ル・マン24時間の”救済”になるよ!」

Top Comments

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本