フェラーリ499P、課題はタイヤマネジメント?「冬の開発テストでは学習できなかったところ」
フェラーリは、WECポルティマオ6時間レースに向けてタイヤデグラデーションについて、まだ学ぶべきことがあると認めている。
フェラーリは、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間レースの予選でグリッド2列目に並んだが、タイヤのデグラデーションに関してはまだ学ぶべきことがあると考えている。
フェラーリは6ヵ月以上に渡ってLMH車両『499P』のテストを行なったが、スポーツカーレース&テストマネージャーのジュリアーノ・サルヴィによると、WECデビュー後も依然として急な学習曲線を描いているという。
しかし、冬のテストプログラムはレースと同条件で行なわれるわけではないため、タイヤマネジメントには疑問符がつくと彼は説明している。
「マシンを開発しているときは、ほとんどの場合、適切な温度帯ではなかったし、トラックには我々しかいなかった。路面にラバーがのっていなかったんだ」
サルヴィはmotorsport.comの取材に対し、そう語っている。
「7月にテストを開始したが、10月まではベンチテストのようなもので、システムやコントロールに取り組んでいた」
「ちゃんとしたレーシングカーで走行し始めたときには、すでに冬だった」
開幕戦のセブリングではペースが安定しなかったフェラーリだが、テストだけでは「参考にならない」ことがその原因だったと説明した。
「ある一定のデグ(デグラデーション/タイヤの性能劣化)があり、それが我々のタイヤマネジメントが悪いからなのか、それともコースレイアウトとタイヤの組み合わせが原因なのか、分からない」
「タイヤのデグは相対的なものであり、我々は単独でクルマを開発していたため、自分たちが正しいウィンドウにいるのかどうかを理解することはできなかった」
今季からWECではタイヤウォーマーが禁止となり、コース上でのタイヤのウォームアップがより重要になっている。
開幕戦セブリングでは50号車のアントニオ・フオコがポールポジションを獲得しており、レース序盤のペースを見てもフェラーリがその点を苦にしていなかったと見ていいだろう。
しかしその逆に、ロングランでの安定性が失われているのではないか。そう訊かれたサルヴィは次のように答えた。
「セブリング後の分析では、(一貫性を保ち)より良いウィンドウで走るために、セットアップの面でいくつかの選択をすることができたことが分かっている」
「冬の間にテストをしてマシンを開発していたので、その面(タイヤのウォームアップ)により集中することになったのだろう」
「我々は予選の王者になりたかったわけではなく、クルマがそうなってしまっただけだ。今は、レースでもっと競争力をつけたいと考えている」
またサルヴィは、開幕戦でワンツーフィニッシュしたトヨタとの2周の差をつけられたことについて、ペース不足だけでは説明できないと強調した。
「その差は、タイヤマネジメントだけではない。ピットストップや戦略でもミスがあった。改善できることはたくさんあるんだ」
「我々はセブリングで信頼性を示したかったが、その目標は達成できた。2台がチェッカーを受けたことは非常に重要なことだった」
ポルティマオの予選では、ポールポジションを獲得したトヨタの8号車に1.4秒の大差をつけられたフェラーリ勢。決勝レースでトヨタを脅かすことができるかどうかにおいては、開幕戦の課題だったタイヤマネジメントを改善できたかが重要になってくるだろう。
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