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フェラーリ、LMH参入の可能性を否定せず。”トータル・フェラーリ”なら実現する?

フェラーリはLMH規定のマシンを開発し、FIA世界耐久選手権のトップクラスに参戦する可能性を閉ざしてはいないようだ。

Ferrari logo

 フェラーリは、FIA世界耐久選手権(WEC)に新たな規定が導入されることをきっかけに、スポーツカーレースのトップクラス復帰を考えるメーカーのひとつだ。

 WECのトップクラスでは来シーズンから、これまでのLMP1車両ではなく、LMHとLMDh規定のマシンが走ることになる。

 フェラーリのスポーツカーレースを率いるアントネッロ・コレッタは、1973年以来となるトップカテゴリーへの復帰について、あらゆるルートが検討されているとmotorsport.comに話した。

「全てのドアはまだ開いている」

「トップクラスへの関心はまだあり、LMDhやLMHのあらゆる機会を探っている」

 LMHとLMDhのどちらの規定も選択肢に入っているのかと訊くと、コレッタはそれを肯定した。

 しかしながら、フェラーリがLMP2クラス車両をベースにしたLMDh規定のマシンを開発する可能性は低そうだ。

 LMDhの車両はWECのみならず、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にも参戦することができるため、フェラーリもそれに関心を示していた。しかしフェラーリは、LMP2車両のモノコックを使うのではなく、自分たちでシャシーを製造する”トータル・フェラーリ”のマシンで戦うことを希望しているのだ。

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 5月にLMDhのレギュレーション草案がFIAやWEC、ACO(フランス西部自動車クラブ)、IMSAによって発表された際、LMDhの車両はフェラーリの要求を満たすものではないことが分かった。

 コレッタは、フェラーリが独自にシャシーを製造する必要性があることを改めて強調。市販車との関連性が重要だと語った。

「最も重要な問題は、我々が市販車とそれをリンクできるかどうかだ」

「我々自身がシャシーを作れるということが必須であり、将来的に新たなスーパーカーを手に入れることができるかどうかを検討していく」

 コレッタは、新型コロナウイルスの影響でこの件に関する意思決定プロセスが保留されていたと明かした。

「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、他の優先事項があったため、全てを停止した」

 そうコレッタは説明した。

「しかし私は、(9月に開催される)ル・マン24時間レース後に議論を再開したいと思っている」

 一方で彼はスポーツカーレースのトップクラスに戻る上で、特定のタイムスケールを設けずに議論を進めると話した。

 フェラーリは、2018年の12月に草案が公開されたLMH規定の議論に初期段階から加わっていたメーカーのひとつだ。

 同じく初期段階から議論に加わっていたアストンマーチンは、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズと共同開発したヴァルキリーを使用し、初年度からLMHクラスに参戦する予定だったが、今年2月にこのプロジェクトを中止している。

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