富士で大苦戦のフェラーリ。PPトヨタから1.2秒差の6番手に沈む「可夢偉のアタックは魔法みたい……とても追いつけない。決勝も厳しい」
フェラーリのジェームス・カラドは、WEC富士戦の予選でトヨタに対して1秒以上遅れたのは「驚き」だと語るが、それでも小林可夢偉のアタックは「まるで魔法みたい」だと褒め称えた。
WEC第6戦富士6時間レースの予選でフェラーリ勢は大苦戦。トヨタ勢のみならず、ポルシェやキャデラックにも先行を許し、51号車が6番手、50号車が7番手となった。
この予選結果について、51号車のドライバーであるジェームス・カラドは「かなり驚いた」と語った。
今回の富士は、トヨタ勢が優勝最有力候補であると見られていた。その前評判通り予選で圧倒的な速さを披露。小林可夢偉がドライブした7号車が1分27秒794を記録してポールポジションを獲得し、8号車も2番手に続いてフロントロウを独占した。
このトヨタ勢に続いたのがポルシェの2台で、さらにその後ろ5番手にはキャデラック・レーシングの2号車が入った。フェラーリ勢は51号車の6番手がやっとで、しかも7号車トヨタに1.2秒もの差をつけられる結果となった。50号車はそこからさらに0.1秒遅れの7番手。フェラーリ勢としては、WECの最高峰クラスに”復帰”して以来、初めて予選トップ3入りを逃す予選結果となった。
「正直言って、かなり驚いたよ」
51号車のドライバーであるカラドは、トヨタにこれだけ大きな差をつけられたことについてそう語った。
「僕はもう少し良いと期待していたんだ」
「今週末については、僕らに与えられたモノでは、モンツァに比べて若干不利な状況にあることは分かっていた。だからこの位置なのかもしれない。それでも残念なんだ」
「僕の予選に関して言えば最初のラップはよかったけど、最終セクターで妥協してしまった。それでも、トヨタには太刀打ちできなかったと思う。あの速さは、可夢偉の魔法みたいなもんだよ。素晴らしいラップだった」
「自分の走りには満足している。おそらく、このマシンで可能なほぼ限界の走りだし、短縮できたとしても0.1秒か0.2秒くらいだろう」
50号車のニクラス・ニールセンも、今回は今季「最も厳しい予選」だったと表現した。
「僕らのペースがかなり足りないのは明らかだ」
そうニール戦は語った。
「明日は長いレースになりそうだけど、僕らにできることは何もない。レースで少しでも挽回できるように努力しなきゃいけないけど、それは難しいことだろうね」
カラドも決勝レースの可能性については悲観的。ドライコンディションのまま6時間のレースが行なわれるようであれば、タイヤの摩耗が勝敗を左右することになるが、その面でもフェラーリにとっては厳しいと語る。
「僕らはデグラデーションが大きいので、レースでも難しいと思う」
そうカラドは言う。
「戦略で何ができるか見てみるつもりだ。富士はいつも、天候で僕らは翻弄する」
フェラーリのパフォーマンスおよびシミュレーション責任者であるマウロ・バルビエリは、フェラーリの予選での苦戦には、多くの要因があると説明する。
「それは細かい点に関係しているんだ。ラップをまとめ上げたり、きちんと準備すること……そういう部分に関係している」
「そういう細かいことが、毎回正しい方向にまとめられるわけではない。それは我々がチームとして学び、改善すべきモノだ」
「苦戦の原因として考えられるモノはたくさんある。タイヤの準備……おそらく我々が行なったセットアップの選択に関係している。気象条件は予測が難しかったから、それがセットアップの選択に繋がったのかもしれない」
「どんなドライバーでも、予選では0.1秒か0.2秒は縮めることができたかもしれないと言うだろう。もしこれらを全てまとめることができれば、2番手との差は説明できると思う」
「しかし首位との差を考えると、これはもう可夢偉を祝福しなければいけない。彼は驚くような仕事をした。おそらく完璧なアタックをしたんだろう」
なおフェラーリの51号車は、トヨタ7号車とランキング2番手タイに並んでいる。首位のトヨタ8号車との差は23ポイント。最終戦バーレーンで逆転チャンピオンを獲得するためにも、この差を是が非でも縮めたいところだが、厳しい状況に立たされている。
記事をシェアもしくは保存
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。