フェラーリ、WECハイパーカークラスへ挑むドライバーラインナップを発表。F1リザーブのジョビナッツィもその一角に

フェラーリは、2023年シーズンのFIA世界耐久選手権のハイパーカークラスに挑むドライバーのラインナップを発表した。

#50 Ferrari LMH: Miguel Molina, Nicklas Nielsen, Antonio Fuoco, #51 Ferrari LMH: Antonio Giovinazzi, James Calado, Alessandro Pier Guidi

 フェラーリは、2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに2台のル・マン・ハイパーカー(LMH)『499P』で参戦を開始する。

 シーズン開幕に先立ち、フェラーリは499Pを駆る6名のドライバーを発表。フェラーリでF1リザーブドライバーを務める29歳のアントニオ・ジョビナッツィが、フェラーリお抱えのGTドライバー5名と共にWECハイパーカークラスへ出場することとなった。

 2019年から2021年にかけてアルファロメオからF1に参戦し、その後もフェラーリでF1業務に当たっていたジョビナッツィ。彼は2022年シーズンのWEC GTE Proクラス王者であるアレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドと共に51号車の499Pをドライブする。

 一方、姉妹車の50号車499Pには、ミゲル・モリーナ、アントニオ・フオコ、ニクラス・ニールセンの3名が乗る。2台のクルーは3月のWECセブリング1000マイルで初陣を迎え、全7戦を戦う予定だ。

 ジョビナッツィがフェラーリワークスからレースへ出場したのは、2018年のル・マン24時間レースのみ。その際は、ワークスのAFコルセが追加参戦させた『488 GTE Evo』でトニ・ビランダー、ピポ・デラーニと共に走った。

 また彼のプロトタイプマシンでの経験は5戦。WECやヨーロッパ・ル・マンなどにLMP2クラスから出場し、アジアン・ル・マンでは2015-2016シーズンに1勝を挙げている。

 F1シートを失って以降ドラゴン・ペンスキーからフォーミュラEに参戦していたジョビナッツィ。本格的なスポーツカーレースへの移行を前に、彼は次のように語った。

「499Pのデビューは、フェラーリの歴史において決定的な瞬間となるだろうし、その特別な瞬間を共有できることは、僕にとって大きな栄誉だ」

「僕らは大きな責務を負っていることを謙虚に受け止めつつも、自分たちの強さを認識し、この大きな挑戦に向けて準備を進めている」

#51 Ferrari LMH: Antonio Giovinazzi, James Calado, Alessandro Pier Guidi

#51 Ferrari LMH: Antonio Giovinazzi, James Calado, Alessandro Pier Guidi

Photo by: Ferrari

 また、フェラーリのスポーツカーレース部門のトップを務めるアントネッロ・コレッタは、499Pを駆るクルーの選抜が、耐久レースの最高峰へ50年ぶりに復帰する前準備における”最終ステップ”だと説明している。

「7月に499Pのシェイクダウンを行なって以降、我々はフェラーリ・ファミリーのドライバーを巻き込んでノンストップで仕事をしてきた」とコレッタは言う。

「ドライバー選択に関する決定は、我々が戦うレースだけでなく、チャンピオンシップの間で続く成長にも関係している」

「速さだけでなく、開発や一貫性に関して、彼らに何を要求できるかが明確になっている」

 コレッタは以前、499Pを駆るドライバーは既にフェラーリと契約を結んでいるファクトリードライバーから選出すると主張していた。

「私は今のドライバーに満足している。変化が必要だとは思っていない」

 コレッタは9月にそう語っていた。

「フェラーリには大きなドライバー・ファミリーがある。そこから選ぶことのできる多くの選択肢がね」

 こうした発言を受けて、フェラーリは499Pの走行テストを担当してきたフルファクトリー契約のGTドライバー勢からハイパーカークラス参戦のドライバー6名が選出されるだろうと広く考えられてきた。

 ピエール・グイディとカラドは、GTE Proで既に3度のWECタイトルを獲得しており、ふたりのコンビは6シーズン目を迎える。

 なお、フルファクトリー契約を結ぶGTドライバーのうち、ダビデ・リゴンとアレッシオ・ロヴェラはハイパーカークラスのメンバーから外れ、ダニエル・セラはテストも行なわなかったという。

 
関連ニュース:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 トヨタWEC、LMHマシンのカスタマー供給は「予定にないが、可能」LMDhは安さがウリも運営コストはLMHと同等?
次の記事 ハイパーカークラスには13台! WEC、2023年シーズンのエントリーリストを発表

Top Comments

最新ニュース

バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす

バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす

MGP MotoGP
Misano Official Testing
バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす
F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」

F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」

F2 FIA F2
Baku
F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」
いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」

いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」

WEC WEC
いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」
ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

WRC WRC
Rally Greece
ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本