ヒョンデ、LMDh車両を開発し、耐久レース参戦の意向を表明。目指すはWECか?
ヒョンデは、スポーツカー耐久レースに新開発のLMDh車両で参戦することを、SNS上で発表した。この活動には、同社のラグジュアリーブランドである”ジェネシス”名を使うことになる。
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写真:: Olivier Delorme
9月12日(木)、韓国のヒョンデはSNSを更新。LMDhマシンを新開発し、耐久レースに参戦することを明らかにした。この日の発表はSNSに投稿された短い声明のみであり、プロジェクトの詳細は明らかにされていないが、時を同じくしてWEC(世界耐久選手権)もSNSを更新し、ジェネシスが近い将来WECに参戦する可能性があるとした。
7月にmotorsport.comが既に報じた通り、ヒョンデが耐久レースの最高峰クラスへの挑戦に向け、準備を本格化させているようだ。
この日同社がSNSに投稿した声明には、以下のように記されている。
「LMDhプログラムは、ヒョンデ・モータースポーツのポートフォリオに、新たな柱を追加することになる」
「ヒョンデ・モータースポーツは2012年の設立以来、ヒョンデと共にWRCやTCRに参戦してきた」
「ヒョンデ・モーター・グループのプレミアムブランドであるジェネシスは、耐久レースをモータースポーツの活動に加える」
ヒョンデは今回の声明では明らかにしなかったものの、早ければ2026年にもLMDh車両でWECに参戦する準備を整えていると見られる。実際ヒョンデと同じタイミングでWECも声明を発表。「WECへの参戦の可能性は、WEC選考委員会の承認を条件としている」としている。
なお車両制作については、フランスのレーシングカーコンストラクターであるオレカと設計・製造に関するパートナーシップで合意しているとみられる。オレカは、LMDh車両を開発するライセンスを持つコンストラクター4社のうちのひとつ。ヒョンデだけでなく、既にアキュラARX-06やアルピーヌA424といったLMDh車両の開発にも携わった。ヒョンデのLMDh車両には、ヒョンデ・モータースポーツが社内で開発した内燃エンジンが標準装備のハイブリッドシステムと共に搭載されることになるはずだ。
ヒョンデは、WEC参戦に向けて既存のレースチームと提携を結ぶと見られており、複数の候補チームと協議を行なっていることが知られている。
有力視されているのは、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)のLMP2クラスにレギュラー参戦するスイスのクール・レーシングだ。ただクール・レーシングの他、IDECスポーツやTDSレーシングも、ヒョンデと接触しているとみられる。また、シングルシーターの経験が豊富なDAMSや、今年限りでキャデラックとの関係を終了させるチップ・ガナッシも、パートナーの候補となるだろう。
そしてWECハイパーカークラスへの参戦準備を進めるため、2025年はELMSプログラムに関与する可能性がある。
またツーリングカー界のレジェンドで元F1ドライバーのガブリエル・タルキーニが、ヒョンデ・モータースポーツのスポーティング・ディレクターもしくはチーム代表に就くものとみられる。タルキーニは2018年にヒョンデi30 N TCRを駆り、世界ツーリングカーカップ(WTCR)に参戦しタイトルを獲得した。
ヒョンデがWECプログラムを始動した後も、WRC(世界ラリー選手権)に参戦し続けるかどうかは未確定のままだ。2026年はWRC現行レギュレーション最終年であり、ワークスプログラム終了を懸念する声もある。ヒョンデ・モータースポーツのチーム代表であるシリル・アビテブールは、自身が率いる組織にはふたつのプログラムを運営する能力があると主張しているが、2026年以降もWRCに参戦を続ける可能性は低くなっているとの見方が強い。
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