WEC Road to Le Mans
ACO、次世代の燃料電池プロトタイプカー『H24EVO』を公開。近い将来ル・マン出場の可能性も?
MissionH24グループが、シングルシーター水素燃料電池プロトタイプカー『H24EVO』の実物大モデルを公開した。

Gary Watkins
公開日時: 2024/06/13 8:03
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

ル・マン24時間レースのオーガナイザーであるACO(フランス西部自動車クラブ)が主要パートナーを務めるMissionH24グループが、H24EVOとして知られるシングルシーター水素燃料電池プロトタイプカーの実物大モデルを公開した。
ACOは2027年から水素燃料電池または水素燃焼エンジンのいずれかを使用したマシンのル・マン出場を認め、翌2028年には最初のマシンがグリッドに登場することを期待している。
MissionH24プロジェクトは、モータースポーツにおける代替燃料としての水素を活用することを提案し、スポーツカーレースにおける水素利用の枠組みを構築することを目的としている。
MissionH24は、これまでにも燃料電池を搭載したプロトタイプカーによるレース出場を目指してマシンを開発してきており、2022年にはH24と呼ばれるマシンでミシュラン・ル・マン・カップ4戦に参戦した。
プロジェクト3台目となるH24EVOは先代マシンから大きく進化しており、最高出力は350kW(約476PS)から650kW(約884PS)に大幅アップ。さらに重量は1480kgから1300kgに軽量化されている。リヤアクスルに搭載されたパワートレインの出力密度は50%も向上しているという。

H24 EVO
Photo by: MissionH24
H24EVOはこのプロジェクトのテクニカルディレクターであるバセル・アスランがゼロから設計。モノコックは先代マシンのベースとなったLMP3シャシーを提供したドイツのコンストラクター、ADESSが再び供給する。
7.8kgの水素が入る燃料タンクは、FIAとの協議の結果、ドライバーとパワートレインの間のモノコック内に設置されることになった。水素は液体ではなく気体で貯蔵されるが、これは今年2月にFIAが望ましいとした手法だ。
参考までに、トヨタがスーパー耐久で走らせている水素エンジンカローラの水素搭載量は、気体水素を使っていた2022年で7.3kg。70MPaもの高圧で圧縮されタンク容量は180L、航続距離は約54kmだった。その後、トヨタは水素を気体から液体に変え、2024年にはタンク容量220Lで水素搭載量15kg、航続距離を約135kmまで伸ばしている。
アスランは、FIAが水素をモータースポーツに取り入れるためのビジョンを示したとき、すでにマシンはデザインされていたと説明した。
アスラン曰く、MissionH24がシングルシーターを選んだ理由は複数あるという。
「統合性とパッケージングが重要だった」
「シングルシーターはサイドポッドにスペースが生まれ、ラジエーターはここに統合することにした」
「ACOともディスカッションし、プロトタイプカーのクラシカルな外観から少し離れ、この技術に新しい見た目を合わせることにした」
計画では、H24EVOは来年早々に走行し、その年のル・マン期間中にコース上でデモンストレーションを行なうことになっている。
アスランによれば、このクルマは”最速のGT3カーと同等の速さ”で周回を重ねることが目標だが、どこでレースに参戦するかはまだ決まっていないという。
アスランはこのマシンが将来的に、実験的マシンがル・マン24時間レースを走るためのグリッド枠である”ガレージ56”を活用してル・マン24時間レースを走る可能性も否定しなかった。
「それ(ガレージ56)が計画されているとは言わないが、我々の視野はかなり広い」とアスランは説明した。
「いろんな条件に適応させるために改造することも考えられる。パフォーマンスと安全性の目標を達成してから、どこでレースをするか考えよう」
現時点でMissionH24の公式テストドライバーは、ノーマン・ナトーやステファン・リシェルミ、エイドリアン・タンベイが務めている。
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 トヨタのマイク・コンウェイ、サイクリング中の事故でル・マン欠場へ。代役は昨年までドライブのロペス
次の記事 FP2でクラッシュのJOTA12号車、”最速ペース”でマシン修復進める「リビルド記録更新は間違いない」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Gary Watkins

マクラーレン“MP4/8B”に搭載されたランボルギーニ/クライスラーV12……あのエンジンブローがなければ、F1の歴史が変わっていた?
F1
F1 1 ヵ月前
マクラーレン“MP4/8B”に搭載されたランボルギーニ/クライスラーV12……あのエンジンブローがなければ、F1の歴史が変わっていた?

未だWECで勝利のないプジョー、来季9X8をアップデートへ。2029年までの参戦継続も明言「パフォーマンスを発揮しなければならない」
WEC
WEC
24 Hours of Le Mans
3 ヵ月前
未だWECで勝利のないプジョー、来季9X8をアップデートへ。2029年までの参戦継続も明言「パフォーマンスを発揮しなければならない」

WECの次期ハイパーカークラスの規則骨子が発表。1規格に統一も、シャシー&ハイブリッドの独自開発が認められる方向に。水素車両の参入も?
WEC
WEC
24 Hours of Le Mans
3 ヵ月前
WECの次期ハイパーカークラスの規則骨子が発表。1規格に統一も、シャシー&ハイブリッドの独自開発が認められる方向に。水素車両の参入も?
最新ニュース

復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
1 時間前
復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」

WECフェラーリ、富士6時間は今季最悪のレースに「あらゆることがうまくいかなかった」残り2戦で逆襲目指す
WEC
WEC WEC
Fuji
2 時間前
WECフェラーリ、富士6時間は今季最悪のレースに「あらゆることがうまくいかなかった」残り2戦で逆襲目指す

なぜMissionH24は燃料電池を止め、水素V6を選んだのか。 トヨタと描き直すル・マンへの道
WEC
WEC WEC
Fuji
2 時間前
なぜMissionH24は燃料電池を止め、水素V6を選んだのか。 トヨタと描き直すル・マンへの道

ピアストリ、表彰台逃した痛恨のミスに違和感?「一瞬でフロントタイヤが両方ロックするなんて……」
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
3 時間前
ピアストリ、表彰台逃した痛恨のミスに違和感?「一瞬でフロントタイヤが両方ロックするなんて……」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録