プジョーのハイパーカー9X8、ル・マン”ぶっつけ参戦”は許可されず。事前のレース参加が必須に
世界耐久選手権(WEC)に、LMHプロトタイプ車両の9X8で参戦する予定のプジョーだが、開幕戦のセブリングか第2戦スパに参戦しない限り、ル・マン24時間レースの参戦は許可されないようだ。
2022年シーズンの世界耐久選手権(WEC)に、LMH規定の新型プロトタイプ車両『9X8』で参戦する予定のプジョーだが、6月のル・マン24時間レースに出場するためには、事前に少なくとも1レースを戦う必要があるという。
プジョーは、9X8のデビュー戦の時期については「2022年にかけて」というだけで、厳密なタイミングを明言したことはない。2019年11月のプロジェクト発表からその立場を維持しており、2021年12月に新車のシェイクダウンを行なった後も、最初の本格的なテストを終えるまでは参戦時期を決定しないとしている。
とはいえ、プジョーが今季のWECにエントリーしていることから、6月に開催される伝統のル・マン24時間レースには出たいという意思が垣間見える。ただWEC側は、ル・マンを9X8のデビュー戦とすることを許しはしないようだ。
WECのフレデリック・ルキアン代表は、プジョーが6月11~12日に開催されるル・マンに参戦するためには、3月の開幕戦セブリング1000マイルか、5月初旬の第2戦スパ・フランコルシャン6時間に出場する必要があることを認めた。
「彼らは事前に1レースはしなければならないので、スパでのレースに彼らが出ることを期待している」
そうルキアンは語った。
「私はプジョーに勤めているわけではないので、セブリングに間に合うかどうかは彼らに尋ねる方がいいだろう」
WECは2018-19年を”スーパーシーズン”と名付け、ル・マンを最終戦とするウインターシリーズへの転換を図った。プジョーは当初、2022年の秋から開始される2022-23年シーズンからWECにフル参戦を開始する予定を立てていた。だが、2021-22年シーズンの終盤に、ル・マンを含むいくつかのレースに参戦する可能性は否定していなかった。
その後、コロナ禍もあってWECのウインターシリーズ化は断念。ル・マンがシーズン前半に開催される形に戻っている。こうした変更は、9X8の開発期間とデビュー時期にも影響を与えたはずだ。
ルシアンは、ハイパーカークラスの性能調整(BoP)の一環として、1年で最も重要なレースを前にプジョー9X8の走りを見ておくことが重要だと説明した。
「ル・マンの前にレースをしているクルマを見る必要がある。それはBoPの問題であり、分析してデータを得るためだ」
「これは競技上の問題であり、商業的な問題ではないんだ」
プジョーは12月中旬に非公開のシェイクダウンを行なって以降、新たな情報は公開しておらず、すでにサーキットでの走行、本格的な開発作業が進められている可能性も否定できない。
リヤウイングレスの過激なスタイリングが話題となった9X8。プジョー・スポールのWECプログラム・テクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、レースデビューに先立ち、空力特性の大幅な修正が必要になる可能性は「ほんのわずかだ」と語っている。
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