ポルシェ&アウディ、LMDhマシン開発でマルチマチックと提携
2023年にル・マン24時間レースを含むスポーツカーレース最高峰クラスに復帰するポルシェとアウディは、LMDh規定のマシンを開発する上で、マルチマチックと提携することを発表した。
写真:: Porsche Motorsport
ポルシェおよびアウディは、LMDhのプロトタイプマシンで2023年から耐久レースの最高峰に参戦することを目指している。LMDhのマシンは次世代LMP2のマシンをベースとしており、各メーカーはLMDhのマシンを開発する上でLMP2の公認シャシーマニュファクチャラーであるオレカ、マルチマチック、ダラーラ、リジェの4社のいずれかと提携する選択肢が与えられる。
ポルシェは、大成功を収めた919ハイブリッドの後継となる新たなフラッグシップマシンのベースとして、マルチマチック社の次世代LMP2シャシーを選んだことを認めた。また、フォルクスワーゲングループの姉妹ブランドであるアウディもマルチマチックと提携することを明らかにしている。
世界耐久選手権(WEC)のLMP1時代には独自にマシンを開発し、直接対決を繰り広げていた両ブランドだが、LMDhプログラムにおいては協力関係を強めることになると予想される。
#2 Porsche Team Porsche 919 Hybrid: Romain Dumas, Neel Jani, Marc Lieb, #8 Audi Sport Team Joest Audi R18: Lucas di Grassi, Loic Duval, Oliver Jarvis
Photo by: Porsche Motorsport
ポルシェのモータースポーツ担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーは、次のようにコメントした。
「マルチマチック社は、我々にとって最も明白で論理的なソリューションだ」
「我々は、この尊敬すべき会社とその経験豊かなプロフェッショナル・チームを長年にわたって知っており、彼らの仕事の質の高さに絶対の自信を持っている」
「我々は、この会社とまったく新しいビジネス関係を築く必要はなく、すぐにスタートを切ることができる。これは、新しいレーシングカーの開発には欠かせないことだ」
またポルシェは先日、チーム・ペンスキーとの提携を発表した。ポルシェのLMDhファクトリーレースプログラムは、米国ノースカロライナ州ムーズビルにあるペンスキーの本社を拠点とするが、マルチマチックの拠点の一部が近いこともメリットになるとエンツィンガーは話した。
「また、チームパートナーのペンスキーと同様に、マルチマチック社の一部がノースカロライナ州のムーズビルに拠点を置いていることも、計り知れないメリットとなっている」
「近距離で直接コミュニケーションがとれることは、将来のLMDhプロトタイプの開発やレース活動において、非常に大きな助けとなるだろう」
WECやIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のLMP2クラスでは、オレカ製のマシンを使用するチームが多く、マルチマチックがライリー・テクノロジーズと共同開発した現行LMP2シャシーはごく少数派だ。
そして、マルチマチックのLMP2マシンはIMSAのDPiクラスを走るマツダのRT24-Pのベースとなっている。そのマツダが今シーズン限りでプロトタイプカーのレース活動を終了。マルチマチックはポルシェとの新たなタイアップを始める体制が整うわけだ。
ポルシェやアウディに加え、フェラーリも2023年にWECおよびル・マン24時間レースに復帰する予定だが、LMDhではなく独自に開発を行なうことができるWECのLMH規定に基づいたマシンを使用するとしている。
2023年のル・マンは、すでにLMHマシン『GR010』をデビューさせているトヨタ、WECデビューを控えているグリッケンハウス『007 LMH』、2022年に耐久レース最高峰にLMHマシンで復帰するプジョーなども含め、多くのメーカーが競い合うことになりそうだ。
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