WEC
実現すればグリッドがさらに華やぐ? ポルシェ、ライバルLMDhメーカーのカスタマー供給を奨励も「時期尚早」とアキュラ
ポルシェは、LMDhマシンを開発するライバルメーカーもWECやIMSAの最高峰クラスにカスタマーマシンを投入させることを望んでいると明かした。

Gary Watkins
編集: 2023/02/21 7:00
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ポルシェ・モータスポーツのトーマス・ローデンバッハ代表は、ポルシェだけでなく複数のメーカーがLMDhマシンをプライベーターのチームにカスタマー供給することがFIA世界耐久選手権(WEC)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の長期的な健全性においては不可欠であると考えている。
2023年からWECとIMSAの最高峰クラスに導入されたLMDh規定では、デザインとエンジン仕様に自由度をもたせながらも、次世代LMP2シャシーと共通ハイブリッドシステムを使用することで参戦コストを抑えることが呼び水となり、多くのメーカーがこのLMDhマシンを開発している。
規定導入初年度の2023年には4メーカーがLMDhマシンを投入しているものの、プライベーターにマシンをカスタマー供給しているのはポルシェだけ。ポルシェのLMDhマシン『963』はワークス以外に4台が販売され、2023年シーズンのWECとIMSAで使用される。
ローデンバッハはmotorsport.comに次のように語っている。
「(LMDhマシンの開発を)決定した時、ポルシェ・モータスポーツのDNAの一部であるカスタマー・プログラムを導入することは明らかだった」
「今はまだ我々だけだが、他のメーカーが後に続くことを願っている」
「他メーカーが続いてくれる自信はある。そうなれば、このシリーズの長期的な未来のためのパラメータのひとつになるだろう」
「私はこのビジネスに長く携わっているから、メーカーがシリーズから去ったり来たりすることを知っているし、カスタマーがいれば本当に安定した要因になると思う」
ローデンバッハは、メーカーがファクトリーチームを撤退させても、そのマシンを使用するプライベーターチームへのサポートは継続するというシナリオを描いているのだ。
しかしLMDhマシンの初陣となったIMSA開幕戦ロレックス・デイトナ24時間レースでLMDhマシンをグリッドに並べたアキュラ、キャデラック、BMWの3メーカーは、現時点ではいずれもカスタマー・プログラムには手を伸ばしていない。
そしてそれぞれが、プライベーターへのカスタマー供給を将来的に行なうかどうかについては未定だと表明している。
#6 Porsche Penske Motorsports Porsche 963: Mathieu Jaminet, Nick Tandy, Dane Cameron, #10 Konica Minolta Acura ARX-06 Acura ARX-06: Ricky Taylor, Filipe Albuquerque, Louis Deletraz, Brendon Hartley
Photo by: Jake Galstad / Motorsport Images
メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)と共にデイトナ24時間レースを制したホンダの北米ブランドであるアキュラは、『ARX-06』のカスタマー供給について、まだ十分に議論が行なわれていないことを認めている。
アキュラのレース活動を統括するホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)のデビッド・ソルターズ代表は、motorsport.comに対して次のように語っている。
「まだ話をするには時期尚早だし、それに関して深く考えたこともない」
「我々はMSRとウェイン・テイラー・レーシングという素晴らしいふたつのワークスチームとフルワークス体制で挑んでいるが、それは必要だからそうしている。このマシンは複雑なんだ」
「今はワークスレベルのクルマだが、将来的にはカスタマー仕様に移行できるかもしれない」
アキュラはチームからの要望にも関わらず、2018-2022シーズンで使用された先代『ARX-05 DPi』をカスタマー供給することはなかった。
キャデラックは先代『DPi-V.R』の販売を行なったものの、『V-LMDh』でそれを行なうかどうかは未定のようだ。
キャデラックの広報担当者は、カスタマーチームによるWECとIMSAでの体制強化を図る前に、考慮しなければならない要素がいくつもあると説明している。その中には、部品供給やシャシー・パートナーであるダラーラの生産スケジュールも含まれている。
#25 BMW M Team RLL, BMW M Hybrid V8, GTP: Jesse Krohn, Augusto Farfus, Connor De Phillippi
Photo by: Michael L. Levitt / Motorsport Images
一方、BMWの『MハイブリッドV8』プログラムはIMSAのみの参戦から、2024年はWECにも進出する。その中で、カスタマーカーを投入する可能性もあるようだ。
BMW Mモータースポーツのアンドレアス・ルース代表は、早ければ2024年にもMハイブリッドをプライベーターに販売するかもしれないと示唆している。
「2024年に向けて、IMSAやWECにカスタマーチームが参加できるかどうかを詳しく検討できるかもしれないが、現時点では何も確定事項はない」とルースは言う。
「確かに、我々のクルマにはカスタマーチームからかなりのリクエストが寄せられているがね」
なお、2024年からLMDhマシンを投入するランボルギーニとアルピーヌはカスタマー供給についてオープンな姿勢を採っている。
なお4台のカスタマー963は、4月末に納車される予定。理論上はJOTAとプロトンが4月29日のWECスパ戦に、プロトンとJDCミラーが5月14日にIMSAラグナセカ戦にLMDhマシンで出場することが可能になる。
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