WEC 富士6時間

白熱の予選、キャデラック2号車がトヨタ8号車平川亮のポール獲得を僅差で阻む|WEC富士

WEC第7戦富士6時間レースの予選が行なわれ、キャデラック2号車がトヨタ8号車を抑えハイパーカークラスのポールポジションを獲得した。

#2 Cadillac Racing Cadillac V-Series.R: Earl Bamber, Alex Lynn

#2 Cadillac Racing Cadillac V-Series.R: Earl Bamber, Alex Lynn

写真:: JEP / Motorsport Images

 世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースの予選が行なわれ、キャデラック2号車がトヨタ8号車を抑えてポールポジションを獲得した。

 FP3はコースコンディションの影響で赤旗終了となったものの、予選は予定通り14時20分からスタートすることができた。気温29度だが雲間から指す日差しは強く、路面温度は41度まで上昇した。

 WECの予選は各クラスまず12分間のタイム計測を行ない、上位10台がポールポジションを含めた上位グリッドを決める、10分間のハイパーポールに進出する形となる。

ハイパーカークラス:大接戦のポール争い、キャデラックがトヨタ抑える

 18台がトップ10グリッドを目指す12分間の予選がスタート。トヨタ7号車は小林可夢偉、8号車は平川亮がアタックを担当。平川が予選を担当するのはこれが初めてとなる。

 まずは各車、1分35秒ほどのスローペースでコントロールラインを通過。その後アタックへ入っていった。その後、ポルシェ6号車のケビン・エストレが最初にフルアタックを完了し1分29秒256をマークし、タイムシートのトップに立った。

 トヨタは7号車が2番手、8号車が3番手に喰らいつくが、99号車プロトン・コンペティションが2番手に浮上するなど、次々と好タイムを叩き出していった。

 そして残り3分を切ったところでは、キャデラック2号車のアレックス・リンが1分29秒090を叩き出す。このタイムを超えるマシンはいないまま、予選が終了となった。

 トヨタ7号車は4番手で十分とみたか、早めにピットに帰還。最終的に5番手となった。8号車も8番手でハイパーポールへと進出した。

 フェラーリ勢は苦戦気味で、タイトルを争っている50号車こそハイパーポールに進出したものの、51号車とカスタマーの83号車は脱落。プジョーの2台、アルピーヌ36号車、JOTAの2台もここで予選を終えた。

 続いて行なわれた10分間のハイパーポール。トヨタ勢はピットレーン出口にマシンを並べ、真っ先にコースインしていった。

 7号車の小林は最初に1分29秒065の好タイムをマーク。ライバルにプレッシャーを与える。タイトルを争うポルシェ6号車は1分29秒152とわずかに届かなかった。

 小林の置いた高いハードルを上回って見せたのが、8号車の平川だ。1分28秒942の会心アタックを決め、暫定トップに立った。

 しかし競争の激しいWECはトヨタにフロントロウ独占を許さない。キャデラック2号車のリンがセッション終盤に1分28秒901を刻み、0.041秒差で平川のタイムを上回ったのだ。さらにドリス・ヴァンスールが駆るBMWの15号車もトヨタ勢の間に割って入る3番手タイムを記録した。

 終盤まで全体ベストペースのセクタータイムを出すマシンが見られたが、アタックをまとめることはできず。2号車が見事にポールポジションを獲得した。トヨタは最終的に8号車が2番手。7号車はタイトルを争うポルシェ6号車のひとつ前、4番グリッドを確保した。

 終わってみれば、7番手のフェラーリ50号車までが0.3秒以内。シビれる大接戦の予選となった。

LMGT3クラス:フェラーリ55号車が接戦制しポール

 ハイパーカークラスの前に行なわれたLMGT3クラスの予選では、日本人ドライバーの木村武史がアコーディスASPチーム87号車レクサスの、小林洋史がTFスポーツ82号車コルベットの予選アタックを担当した。

 佐藤万璃音がドライバーに名を連ねるユナイテッド・オートスポーツ95号車マクラーレンは、ジョシュ・ケイギルが予選担当。ケイギルは1分41秒335をマークし、一時トップに立ったものの、その後数台がそのタイムを上回っていった。

 予選トップはビスタAFコルセ55号車フェラーリ。82号車コルベットは4番手、95号車マクラーレンは5番手でハイパーポール進出を決めたが、87号車レクサスは11番手で惜しくも敗退。バレンティーノ・ロッシのチームとして注目されているチームWRTの46号車BMWが12番手、Dステーション・レーシング777号車が13番手で予選を終えた。

 ハイパーポールの序盤、速さを見せたのはユナイテッド・オートスポーツのマクラーレン2台。95号車が59号車を従えてワンツーとした。しかし、それを55号車フェラーリ、TFスポーツ81号車コルベットが上回った。中でも81号車は1分40秒975。唯一の40秒台を叩き出した。

 このタイムは越えられないかと思われたが、55号車フェラーリのフランソワ・エリオが再プッシュで1分40秒893をマーク。これで今季初ポールポジションを手にした。

 81号車コルベットが2番手、95号車マクラーレンは3番グリッドを手にした。82号車コルベットは、小泉が終盤のアタックでタイムを更新し、クラス7番手につけた。

   
1
 - 
4
   
   
1
 - 
2
   
順位 チーム # ドライバー クルマ 周回数 タイム 前車との差 平均速度
1
CADILLAC RACING HYPERCAR
2 New Zealand アール バンバー United Kingdom アレックス リン Cadillac V-Series.R 6

1'28.901

  184.776
2
Toyota Gazoo Racing HYPERCAR
8 Switzerland セバスチャン ブエミ New Zealand ブレンドン ハートレー Japan 平川 亮 Toyota GR010 - Hybrid 7

+0.041

1'28.942

0.041 184.691
3
BMW M Team WRT HYPERCAR
15 Belgium デリエ ヴァンスール Italy ラファエル マルシエッロ Germany マルコ ウィットマン BMW M Hybrid V8 6

+0.158

1'29.059

0.117 184.448
4
Toyota Gazoo Racing HYPERCAR
7 United Kingdom マイク コンウェイ Japan 小林 可夢偉 Netherlands ニック デ・フリーズ Toyota GR010 - Hybrid 6

+0.164

1'29.065

0.006 184.436
5
PORSCHE PENSKE MOTORSPORT HYPERCAR
6 France ケビン エストレ Germany アンドレ ロッテラー Belgium ローレンス ヴァンスール Porsche 963 7

+0.251

1'29.152

0.087 184.256
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