トヨタ、4年ぶりのル・マン24時間制覇。“2台揃って”のトップ争いが勝利手繰り寄せる「戦略を分けることができた」
TOYOTA Racingの中嶋一貴チームディレクターは、2026年ル・マン24時間レースの終盤まで、7号車と8号車が2台揃って上位につけられたことが勝因になったと振り返った。
#7 Toyota Racing Toyota TR010 Hybrid: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Nyck De Vries
写真:: Marc Fleury
2026年のル・マン24時間で、4年ぶりとなる総合優勝を成し遂げたトヨタ。“TOYOTA GAZOO Racing”から“TOYOTA RACING”に名を変え、アップデートされた車両『TR010』を投入した初年度で手にした勝利を、チームの面々が振り返った。
予選では7号車が14番手、8号車が15番手と苦しい位置からのスタートとなったトヨタ陣営だったが、元々レースペースには自信を持っており、最初のピットインを早めにすることでクリーンエアで走れる状態を作り、ペースの良さを活かす戦略を決行。これがうまくハマり、以降は2台が一貫して上位でレースを展開することができた。
24時間という長い長い戦いの中で、ペナルティやトラブルなど、トヨタの2台それぞれに逆風が吹くシーンもあったが、終盤のセーフティカー出動を味方につけ、最終盤は7号車、8号車、そしてBMW20号車の3台による優勝争いに。そしてBMWの追撃を振り切った7号車が優勝、8号車は3位でチェッカーを受けた。
トヨタのチーム代表であり、7号車のドライバーとしてトップチェッカーを受けた小林可夢偉は、レースを次のように総括した。
「この結果はチーム全員の努力とパートナーの応援、ファンの仲間のサポート、トヨタの東富士、TMGの皆さんからのサポートがあったからこそです」
「全くミスができない中でのレースでしたし、その中でも全てがうまくいったとは言い切れない部分もありますが、その中でも自分たちの最大限をやりながら、勝負するところでは勝負をして、最終的にチェッカーの前に2台揃ってトップ争いができたことは一番大きかったと思います」
「もちろん今年のル・マン(優勝)は悲願だったし、ずっと掲げていた目標でした。クルマの進化、そしてチームとして強くなったことを見せられて、チームにもドライバーにも感謝したいと思います」
またチームディレクターの中嶋一貴も小林同様、7号車と8号車が2台揃って優勝争いに絡めたことが勝因になったと考えている。2台でピットインのタイミングやタイヤ戦略を分けることで、それぞれ1台だけが上位に残っていたBMWとキャデラックに対し、ある時はプレッシャーをかけ、ある時はライバルを抑え込み……といった形でフレキシブルに戦うことができたからだ。
「レースは正直ツキの部分もありましたが、最後あそこ(トップ争い)に2台いたことが優勝に直結した1番の要因になったと思いますし、そういう意味ではチームの総合力でつかみ取れた優勝だったと思います」と言う中嶋チームディレクター。加えてレースの展開についてこう語った。
「7号車は序盤にパンクがあり、さらにセンサーのトラブルでストレートスピードが足りない状況があり、正直夜中くらいには『7号車が厳しいかな』という空気も漂っていました」
「そんな中でも諦めず走ったことも勝因のひとつだと思いますし、センサートラブルも(パワーが)上がったり下がったりという中で、終盤はちょっと戻り気味でした。そしてセーフティカーが出た後、キャデラックを追いかけていた時に(上位に)2台いたことで戦略を分けられた部分もありました。それが最終的に7号車の勝ちに繋がったのかなと思います」
「8号車には少し酷になってしまいますが、タイミングやそういったところで流れが(7号車に)傾いたのかなと。そこで8号車がいなかったらその戦略は取れなかったかもしれないですから、チームとしての成果だったと思います」
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