WECトヨタ、シリーズ初めての違反でチーム幹部に罰金。”不透明”なBoPのプロセスを批判
トヨタのレースディレクターであるロブ・ロイペンが、性能調整を批判したとしてペナルティを科せられた初のWECパドック関係者となった。
トヨタは、WEC(世界耐久選手権)の性能調整(BoP)についてレースディレクターのロブ・ロイペンがシリーズ規定に反する発言をしたとして、執行猶予付きの罰金1万ユーロ(約170万円)を科せられた。
この罰金は、昨シーズンから適用されているBoPへの批判を禁ずる規則への違反として、ペナルティが適用された初めてのケースとなった。
このペナルティは、先週末のWEC第5戦サンパウロ6時間レースのスチュワードによって下されたモノだ。
彼らは先週、motorsport.comのオランダ版とイタリア版で報じられた彼のコメントを、重大な規則違反だとみなしたようだ。
その中でロイペンは、ACO(フランス西部自動車クラブ)とFIAが”透明性のない”BoPプロセスを採用していることを批判。これが「FIAの公平性に疑問を投げかけるもの」であり、「選手権の結果の整合性に疑問を投げかけ、その信頼性を損なう直接的な結果」をもたらすものだとスチュワードは主張した。
これがこの規則最初の違反とされたこともあって、スチュワードはTOYOTA GAZOO Racingの関係者が今後違反行為を行なわないことを条件として、罰金を今シーズン中の執行猶予としている。
一方でスチュワードの報告書は、「すべての競技者は、今後の違反が一時停止処分を受けない可能性があることを知らされている」と結んでいる。
Rob Leupen, Toyota race director
Photo by: Toyota Gazoo Racing
ロイペンは、2023年のル・マン24時間レースを前に実施されたハイパーカークラスのBoP変更が「レギュレーションに準拠していなかった」と述べた。
トヨタに大きく不利に働いたこのBoP変更は、ハイパーカーに参戦するメーカーが合意したガイドラインに反するものではあったが、FIAとACOはBoPを変更する権利を保持しており、レギュレーション違反にはあたらなかった。
ロイペンは新たなプロセスの下で実施された今年のル・マン24時間レースのBoPについて、BoPに不満はないとしながらも、より透明性を高めるよう呼びかけた。
「今年はマシになったが、このケースでもBoPのプロセスが透明ではないことに気づくだろう」
「BoPの根拠となるプロセスを透明化することは可能だ」
「そうすれば、彼らは『これが我々のやり方だ』と言うことができる。そして、フィードバックを得ることもできる」
「我々はレースが終わるたびにフィードバックしているが、その返信を受け取ったことはない」
「トラフィックは一方通行だ。それではうまくいかない。状況を改善するために協力し合う必要がある」
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