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WECトヨタ、スパ予選の”手抜き”否定。小林可夢偉「三味線弾いたと言えればいいですが……そんな余裕はない。でもポジティブですよ」

トヨタはWECスパの予選で大苦戦したが、テクニカルディレクターのデビッド・フルーリーはチームが「実力を隠している」という見方を否定している。

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TR010: Sebastien Buemi, Brendon Hartley, Ryo Hirakawa

写真:: Paul Foster

 世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ6時間レースの予選で、トヨタは7号車の12番手が最上位と苦戦。しかしこれは意図的に遅く走り、性能調整(BoP)を有利に運ぼうとした結果ではないとチームは否定した。

 わずか3週間前にイモラでの開幕戦を8号車が制し、WEC通算50勝目を挙げた直後なだけに、今回の予選どのパフォーマンス差は際立って見える。2台ともにハイパーポール進出を逃しただけでなく、8号車は新規参入のジェネシス1台の後塵を拝しているのだ。

 この極端な結果に、ル・マン24時間レースが近づき、例年スパでのレースが”ル・マン前哨戦”と見なされていることから、スパでのパフォーマンスをあえて下げ、ル・マンで有利なBoPを引き出そうとしているのではないか、という疑念も浮上していた。

「予選とハイパーポールについては、いろいろな見方ができる」

 トヨタのテクニカルディレクターであるデビッド・フルーリーは、Motorsport.comを含むそうメディアに語った。

「もちろん失望しているし、今後に向けた懸念もある。一方で『我々がサンドバッギング(手抜き)している』という考えが出てくることも想像できる」

「だが客観的に見れば、昨年から参戦しているメーカーの中で、昨年の予選やハイパーポールと比較してラップタイムを改善したのは我々を含めて2社しかない」

 確かに昨年、トヨタ勢の予選最速タイムは2分01秒908だったが、今年は2分01秒592まで改善されている。

「我々は0.3秒タイムを縮めた一方で、全体平均は逆に0.3秒遅くなっている」とフルーリーは付け加えた。

「つまり、フィールド全体に対しては0.6秒速くなっているのだ。さらに、昨年の“ここ(スパ)からル・マンへの流れ”も見ている。我々が手を抜いていないことは明らかだ。そして同時に、今後何が起きるのか分からないという意味で、懸念も抱かせる状況だ」

#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TR010: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Nyck De Vries

#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TR010: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Nyck De Vries

写真: Paul Foster

 フルーリーは苦戦の主な原因として、スパ・フランコルシャンのコース特性を挙げた。イモラは低速〜中速コーナーが多かった一方、スパは高速コーナー主体のサーキットとなっている。

「残念ながら、このトラック特性は我々のクルマに合っていないようだ」と彼は認めた。

「しかも残念なことに、その特性はル・マンにかなり近い」

 具体的にトヨタTR010ハイブリッドに合わない点について問われると、フルーリーはこう答えた。

「おそらくコーナーの性質だろう。そうしたコーナーでのクルマの挙動が、我々の最大の強みではないのだと思う」

 またフルーリーは、7号車の予選アタックを担当した小林可夢偉が「非常に力強いラップ」を走ったとも評価した。

「マシンのポテンシャルという意味では、これ以上引き出せるものはあまりないと思っている。せいぜい0.1~0.15秒程度だろう。それ以上は難しいと思う」

 今季はマシンを大幅にアップデートし、GR010からTR010へと進化を遂げたトヨタ。フルーリーは、これにより確実に前進できていると考えている。

「我々はより良いパッケージを手に入れた。ただ、まだ改善を続け、さらにプッシュし続けなければならない」

 なお日本人メディア向けの取材会に出席した小林可夢偉チーム代表は、今回の苦戦についてこんなことを語った。

「かなり苦戦気味ですね。思ったよりもタイムが出ませんでした。ただ、アタック自体は悪くなかったので、純粋に今のクルマの問題点が見えたんだと思います。それはポジティブです」

 トヨタは”三味線を弾いているのでは?”という話が出ているということについて尋ねると、小林代表はこう語った。

「三味線を弾いてるって(言えたら)言いたいですよ。でもそんなこと言えないくらい、良い感じじゃないです」

 隣にいた平川亮も「余裕はないです」と付け加えた。

 ただ小林代表曰く、それでもポジティブな部分があるという。

「でも僕らは結構ポジティブなんですよ」

 そう小林代表は語る。

「昨年僕らはここでトップから2秒くらい(実際には1.8秒)くらい遅くて、決勝では追い上げることができました。でも今年は、トップから1秒以内の差。タイム差はかなり近くなっていますから、一発のタイムで悲観することはないと思っています」

「三味線を弾いてるというのは、言いたい人が言っているだけですよ」

 そう小林が語ると、平川は頭脳戦でレースを戦い抜き、好結果を目指したいと語った。

「決勝は作戦が結構大事かなと思います。イモラと違って同じタイヤで3スティント走ることはできないので、そのタイヤ戦略が難しいと思います。(コース上で)普通に抜くのも難しいので、イモラのように頭脳戦で戦いたいですね」

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