WECオースティンの性能調整が発表。トヨタとポルシェはパワーダウンと重量増のダブルパンチ

サーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるWEC第6戦に向けて、性能調整が発表。ハイパーカークラスの全車に調整が加えられた。

#7 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Nyck de Vries

 WEC(世界耐久選手権)第6戦『ローンスター・ル・マン』(8月30日~9月1日)の性能調整が発表され、トヨタGR010とポルシェ963は出力ダウンと重量増の調整を受けた。

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台で開催されるWEC第6戦は、ハイパーカークラスの全車両に細かい調整が施されている。

 前戦インテルラゴスで8号車が勝利を飾ったトヨタ。オースティンではベースパワーが9kW(12bhp)減少し、最小重量が5kg増加した。これによりトヨタGR010 ハイブリッドは497kW(666bhp)のベースパワー、1060kgの最低重量でレースに臨む。

 一方、時速250km以上の領域での最高出力については上方修正を受けており、1.8%増の4.6%のパワーアップが認められる。

 WECのランキング首位であり、インテルラゴスでトヨタに次ぐ2位となったポルシェも、オースティンではパワーダウンと重量増となる調整を受けている。インテルラゴスから3kW減の509kW(682bhp)、2kg増の1053kgでレースに臨む。

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

Photo by: JEP / Motorsport Images

 ル・マン24時間レースを連覇しているフェラーリ499Pは、前戦インテルラゴスでは苦戦し5位が精一杯だった。オースティンでは重量が5kg軽くなるものの、ベースパワーは3kW下がっている。

 プジョーの9X8は、オースティンで14kgの軽量化。今回最も大きな調整を受けている。ベースパワーについては1kW低下している。

 BMW MハイブリッドV8 LMDhはインテルラゴスより7kg軽量化され、出力も1kW向上する。ランボルギーニSC63は9kgの軽量化、1kWの出力減となっている。

 アルピーヌA424とキャデラックVシリーズ.Rも1kWの出力減と小幅な調整。重量はそれぞれ3kg、2kgの軽量化となっている。ただ、アルピーヌはパワーゲインで-3.2%と比較的大きな調整が入っている。

 イソッタ・フラスキーニは、衝撃的なWECからの即時撤退を発表したことで、今回の性能調整からも名前が消えている。

マシン

規定

最低重量 最高出力 パワーゲイン 最大エネルギー量
トヨタGR010ハイブリッド LMH 1065kg(+5) 497kW(-9) 4.6%(+1.8) 906MJ(-6)
フェラーリ499P LMH 1055kg(-5) 500kW(-3) 1.9%(+0.1) 901MJ(-4)
アルピーヌA424 LMDh 1041kg(-3) 515kW(-1) -3.2%(-1.9) 907MJ(-3)
BMW MハイブリッドV8 LMDh 1037kg(-7) 513kW(+1) -0.9%(-0.9) 906MJ(-2)
キャデラックVシリーズ.R LMDh 1037kg(-2) 518kW(-1) -0.6%(+0.9) 907MJ(0)
ランボルギーニSC63 LMDh 1030kg(-9) 520kW(+1) 0.0%(+1.0) 908MJ(-1)
プジョー9X8 LMH 1037kg(-14) 509kW(-1) -1.2%(-1.2) 902MJ(-7)
ポルシェ963 LMDh 1053kg(+2) 509kW(-3) 0.7%(+0.7)  907MJ(-1)

※()内は前戦インテルラゴス比

 
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