WEC Fuji

トヨタ、フェラーリとの最大の違いはドライバーの安定性?「彼らのレベルに少し問題があると思う」

トヨタは、WECのタイトルを争うライバルであるフェラーリが富士でパフォーマンスが振るわなかったのは、ドライバーのパフォーマンスが一因だと考えている。

#51 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Alessandro Pier Guidi, James Calado, Antonio Giovinazzi

 WEC第6戦富士6時間レースは、トヨタがポルシェ6号車を退け、ホームでワンツーフィニッシュ。フェラーリは50号車が4位、51号車が5位となったが共に周回遅れでのフィニッシュとなった。

 前戦モンツァでは接戦を繰り広げたフェラーリとトヨタにこれほどの差がついた点について、フェラーリは3度セーフティカー出動したモンツァとは異なり富士がクリーンなレースになったため、本来の差が現れたと主張している。

 一方で、今回の富士は週末を通じてコンディションが異なり、決勝は温度が上がるという難しい状況だった。トヨタのチーム代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉は、トヨタには6名全員がそうした状況に適応できるドライバーだと語った。

「ドライバーが自分に合うようにブレーキの使い方やエンジンのコントロールの仕方でいかにタイヤを保たせられるようにクルマのバランスを作っていくのか、というところが求められたレースなんじゃないかなと思います」

「その場その場で適応していくことがレース結果の鍵だったような気がします。その経験があるというのはアドバンテージだし、トヨタにはそれができるだけのドライバーが乗っています」

「フェラーリがずっと遅かったのかというとそうじゃありません。速いスティントもあって、それがなぜかといえば適応できるドライバーがしっかり速かったんです。トヨタは全ドライバーがそれができます。それが今までやってきた積み重ねなんじゃないかなと思います」

 

 トヨタのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンも、小林と同じような意見を持っているようだ。

 バセロンはレース終盤2時間に、フェラーリ50号車の走行を担当したアントニオ・フオコの印象的なペースを例に挙げた。フオコのドライブした50号車は、チームメイトの51号車よりも21秒前でレースを終えている。

「ラップタイムを見れば、(マニュファクチャラー間で)コンマ1秒か2秒の差しかない」

 そうバセロンはレース後に語った。

「我々のラップの60%は、ポルシェとコンマ2秒以内の差なんだ。フェラーリを見ると、フオコは本当に競争力があった。フオコの最初のスティントは印象的だった」

「フオコは明らかに競争力があったから、フェラーリはドライバーのレベルに少し問題があると思う。我々にはより安定したドライバーがいるんだ」

 一方でバセロンは、特に富士ではコースを熟知している小林と8号車の平川亮がそのアドバンテージを享受し、傑出したパフォーマンスを見せていたと話した。

 7号車のフィニッシュを担当した小林は最後の2時間で、ブレンドン・ハートレーが乗る8号車を引き離し、最終的に39秒ものギャップを作った。

 またレース中盤、トヨタ7号車のホセ・マリア・ロペスが首位のポルシェ6号車のケビン・エストレを中々抜けない中で、トヨタが8号車と7号車のポジションを入れ替えると、8号車の平川は一発でオーバーテイクを決めてみせたのだ。

 バセロンは、小林の走りについて予選後にも使った表現を繰り返し「これは特別な”カムイ効果”だと思う」と話した。

「我々は、彼が他のドライバーより一歩抜きん出ているところを目の当たりにした」

「ここでのレースに慣れているドライバーたちが一段上にいたことがよく分かる。リョウを見てごらん、2周でエストレを抜いたんだ」

「間違いなくトップドライバーであるホセがギャップを見つけられなかったのに、リョウは2周でギャップを見つけた。富士は技術的にかなり難しいサーキットで、(ここで)走り慣れているドライバーは、他のドライバーよりも一枚上手なんだ」

 

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