LMP1のNA車両が15kg軽量化。不可解な変更に”公平な競争”を求める声も

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LMP1のNA車両が15kg軽量化。不可解な変更に”公平な競争”を求める声も
執筆: Gary Watkins
2018/08/16 7:31

今週末に開催されるWEC第3戦シルバーストンで、LMP1プライベーターのうち、自然吸気エンジンを搭載している車両の最低重量が15kg軽減されることになった。

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso, crosses the line and takes the chequered flag to win the race ahead of #7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Jose Maria Lopez
#1 Rebellion Racing Rebellion R-13: Andre Lotterer, Neel Jani, Bruno Senna, #8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
#11 SMP Racing BR Engineering BR1: Mikhail Aleshin, Vitaly Petrov, Jenson Button
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#4 ByKolles Racing Team Enso CLM P1/01: Oliver Webb, Dominik Kraihamer, Tom Dillmann
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Race winners #8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
#10 Dragonspeed BR Engineering BR1: Henrik Hedman, Ben Hanley, Renger Van der Zande
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 シルバーストンで開催される世界耐久選手権(WEC)第3戦。LMP1クラスのプライベーターに対するEoT(技術均衡値)が変更され、自然吸気(NA)エンジンを搭載する車両の最低重量が15kg引き下げられることになったが、この決定について説明を求める声が出ている。

 今季の開幕戦スパ6時間レースや、ル・マン24時間レースでは、ハイブリッドシステムを搭載するトヨタのTS050が最低重量878kgに設定されていたのに対し、非ハイブリッドのLMP1プライベーターの車両については、NAエンジンかターボエンジンかに関わらず、最低重量は833kgとされていた。

 しかしシルバーストンでは、ギブソン製4.5リッターV8のNAエンジンを使用するレベリオンのR-13や、BRエンジニアリングのシャシーBR1に同エンジンを搭載しているドラゴンスピードの車両最低重量が15kg引き下げられ、818kgとなる。

 対して、BR1にAER製のV6ツインターボエンジンを搭載するSMPレーシングや、日産/ニスモ製V6ツインターボエンジンを使用するバイコレスには、この変更が適用されない。

 SMPレーシングのレースオペレーションを担当しているARTグランプリのテクニカルディレクター、ガエタン・ジェゴは、motorsport.comに次のように語った。

「ル・マン24時間では、我々がレベリオンに匹敵するペースで走れることを示していた。しかし、シルバーストンで15kgの差は、かなり大きい。0.5秒から0.6秒もの差が生まれるはずだ」

「我々はこのEoTを好意的に思っていない。我々はただ、フェアな戦いを望んでいるのだ」

 バイコレスのチーム代表であるマンフレディ・ラベットもジェゴの推定に同意し、EoT決定の根拠について説明を求めた。

「シルバーストンのようなトラックでは、(15kgの)ウエイトのアドバンテージがおよそ0.7秒になると計算されている」とラベットは話した。

「我々は不満を口にしているのではなく、説明を求めているだけなのだ」

 WECを運営するACO(フランス西部自動車クラブ)のスポーティングディレクターを務めるヴィンセント・ボーメスニルはこの決定の意図について説明し、ACOはLMP1プライベーターのターボ搭載車とNAエンジン車間のバランスを常に取ろうとしていると述べた。

 ベンチテストでは得られないエンジンデータが欠落していたため、開幕戦のスパやル・マンでは調整を行うのを避けたのだという。

「昨年、NAエンジン車とターボエンジン車のバランスを取るということを決定した。今が、調整を行うときだ」

 さらにLMP1のプライベーターたちは最大燃料流量が108kg/hから115kg/hに緩和されている。またターボエンジンの効率性が考慮され、最大燃料搭載量、1周あたりに使用できるエネルギー量は共にNA車の方が有利な設定となっている。

 こうした動きは、ACOとFIAによって行われたデータ分析を基に決定されている。ル・マンでは、レベリオンがプライベーター最速だったが、ボーメスニルは燃料流量の規制がターボエンジン車とNAエンジン車に異なる影響を与えていたと説明した。

 これらの調整によりオリジナルのEoTと比べて、トヨタが持つパフォーマンスのマージンが0.25%(ル・マンで1周0.5秒に相当)失われることになる。

 また今回、各マシンのスティントの長さが等しくなるように調整されたことで、スパやル・マンで設定されていた1スティントの最大周回数の制限は撤廃されている。

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シリーズ WEC
執筆者 Gary Watkins
記事タイプ 速報ニュース