WECバーレーン決勝:8号車トヨタ圧勝。トヨタ勝ち星でポルシェ越え

WEC最終戦バーレーン6時間レースの決勝が行われ、8号車トヨタTS050 Hybridが順調なレースを展開し、2位に1周差をつけて圧勝した。

 現地時間11月18日・土曜日、WEC最終戦バーレーン6時間レースの決勝が開催。8号車トヨタTS050 Hybridが順調なレースを展開し、2位に1周差をつけて圧勝した。

 ポルシェのLMP1チームは今年の夏に今季をもってWECを撤退することをすでに発表しており、これが彼らにとってのラストランとなった。最終戦に持ち込まれたマシンは、赤いカラーリング部分にプロジェクトに関わったメンバーの名前がところ狭しと刻まれたものが用意された。ポールポジションは、1号車ポルシェ919 Hybridが3セットのタイヤを投入する意地のアタックで獲得。姉妹車の2号車は3番手からのスタートだ。

 対するトヨタ勢は7号車トヨタが2番手。8号車は中嶋一貴が担当した予選アタックでトラフィックに詰まってしまった影響で、タイヤを温存して4番手からのスタートに備える形となった。

 ポルシェのマティアス・ミュラーCEOがグリーンフラッグを振り、各車がフォーメーションラップに突入。陽が落ち始めた現地時間16時にレースがスタートした。

 2号車ポルシェのティモ・ベルンハルトが鋭い蹴り出しを見せ、ターン2で7号車トヨタ(マイク・コンウェイ)を交わし、1号車ポルシェ(ニール・ジャニ)に続くポルシェ1-2体制を築く。今季5勝目を狙う8号車トヨタのセバスチャン・ブエミは、7号車の前に出て3番手へ浮上。スタート直後は大きなアクシデントもなく、落ち着いた立ち上がりとなった。

 スタートから5分経過時点で、ターン13のイン側に立っていたボラードが外れてコース内に落ちてしまったことでセーフティカーが出動した。

 レース再開はスタートから11分の時点。すると8号車トヨタのブエミがターン1でイン側に飛び込み、2番手に浮上した。

 8号車トヨタに交わされた2号車ポルシェにはさらなる災難が。コース上に落ちていたボラードを踏んでしまい、これがフロア下に挟まって取れない状態となり緊急ピットイン。フロントカウルを外し、これを取り除いたことで大きく遅れを取ってしまった。

 レースが30分を経過し、LMP1クラスはトヨタの2台と1号車ポルシェの熾烈なバトルとなった。8号車トヨタがバックストレートエンドで1号車ポルシェのインにズバッと飛び込みオーバーテイクを決めた。1号車ポルシェも負けじとメインストレートで並びかけるが、逆に7号車トヨタにパスされてしまう。

 1号車ポルシェは7号車トヨタをすぐさま抜き返すなど、この2台は軽く接触しながらもバトルを継続。これを制した7号車が前に出たことで、残り5時間20分の時点でトヨタの1-2体制となった。

 徐々にトヨタの2台から離されていったポルシェ1号車は、55分経過時点でルーティーンのピット作業。給油のみでピットアウトした。トヨタ勢はその1周後にピットイン。8号車トヨタは給油のみでピットアウトした一方で、7号車トヨタはホセ・マリア・ロペスにドライバー交代し、フルサービス。ピット作業のタイミングが違う2号車ポルシェの後ろでコースに復帰したが、これを交わし3番手となった。その2号車は70分経過時点でフルサービスを行い、ブレンドン・ハートレーが乗り込んでいる。

 タイヤを替えた7号車トヨタは、ロペスが好ペースを発揮。30分ほどかけてタイヤを交換した分のロスタイムを削りきり、8号車トヨタに追いつく。タイヤの状態に違いもあり、残り4時間33分の時点であっさりと7号車トヨタが2番手に復帰した。

 7号車トヨタと1号車ポルシェは残り4時間10分の時点でピットへ。1号車はフルサービスを行い、ニック・タンディにステアリングを託した。その翌周には8号車トヨタがピットに入り、こちらもタイヤ交換。中嶋一貴がマシンに乗り込んだ。

レース後半:トヨタ、勝ち星でポルシェに勝利

 トップの8号車トヨタが好ペースを刻み、2号車ポルシェを周回遅れにする中、レース開始から2時間35分のところでどこからかやってきた黒猫がサーキット内に"乱入"。アウト側からトラックを横断しようとした黒猫にGTE車両が危うく接触しかけるが、黒猫がコース外に引き返したため難を逃れた。その後WECは黒猫を救出するためにフルコースイエローを発動しようとしたが、その隙に黒猫がサーキットを抜け出して行ったため、その発動は行わないと伝えられた。

 レースの折り返し地点を迎えようかというところで、7号車トヨタと1号車ポルシェが同時にピットイン。1号車ポルシェは給油のみ済ませ、7号車トヨタはフルサービスを行なって、ロペスから小林可夢偉にバトンタッチした。1号車ポルシェと7号車トヨタのタイヤ交換のタイミングがずれているため、ここで1号車ポルシェが2番手に浮上。さらにその翌周に8号車トヨタがピットインし、給油のみ行って中嶋はトップのまま2スティント目に入っていった。

 その直後、ターン1でLM-GTE車の92号車ポルシェをアウト側から交わした7号車トヨタは、ターン2で抜いたはずの92号車ポルシェにリヤを当てられ、大きくアウト側にスピンを喫した。92号車ポルシェはグラベルに入り停車。一方、リヤカウルなどに大きなダメージを負った7号車トヨタは自力で動き出してピットを目指し、そのままガレージで修繕を作業に入った。さらに7号車トヨタは後にそのインシデントの責任を問われ、ストップ・アンド・ゴーのペナルティを科されることとなる。

 92号車ポルシェを回収するためにフルコースイエローが発動。なお、このタイミングで2号車ポルシェはピットインを完了させた。間も無くしてフルコースイエローが解除され、レースが再開。マシンの修復を終えた7号車トヨタはトップから2周差をつけられてレースに復帰した。

 さらにLMP1車両と他クラス車両との接触は続く。残り3時間少々というところで、今度は1号車ポルシェと86号車ガルフ・レーシング(ポルシェ)が接触した。86号車ガルフ・レーシングは電装系に大きなダメージを負い、ピットストップを強いられた。

 レース残り2時間15分のところで、1号車ポルシェは1時間前に発生した86号車ガルフレーシングとのインシデントの責任を問われ、ピットスルー・ペナルティが科された。

 その間に7号車トヨタがフルサービスを行うためにピットイン。小林はマイク・コンウェイとドライバー交代を行う。その翌周にピットスルー・ペナルティを消化した1号車ポルシェが再びピットイン。フルサービスを行い、アンドレ・ロッテラーがハンドルを握った。

 さらにその翌周、8号車トヨタがフルサービスを行なって、アンソニー・デビットソンにドライバーチェンジを行なった。

 8号車トヨタは順調なレースを展開し、2番手の2号車ポルシェに対し1分差以上つけた。レース残り50分のところで最後のフルサービスを済ませ、再びブエミにバトンが渡される。

 その20分後に1号車ポルシェが最後のピットイン。さらに7号車トヨタはレース開始から3時間後に発生したインシデントによるペナルティを消化するため、残り20分というところでピットレーンに入った。さらにその10分後には、7号車トヨタと1号車ポルシェと共に再びピットインを行ない、最後の給油を行っている。

 トップチェッカーを受けたのは2番手の2号車ポルシェに1周差をつけた8号車トヨタ。ライバルのポルシェに対し、今季は勝ち星で上回るという目標を達成した。

 前戦WEC上海でドライバー部門とマニファクチャラー部門でタイトルを確定させた2号車ポルシェは2位。3位には1号車ポルシェが姉妹車から46秒差で続いた。

 なお、LMP2クラスはレース後半戦でクラスをリードした31号車レベリオンが優勝。これによりLMP2クラス年間タイトルを獲得した。

 LM-GTE Proクラスは序盤のレースをリードした71号車フェラーリが、最後タイヤの性能劣化に悩まされながもクラス優勝を果たし、これにより年間タイトルを獲得した。

 LM-GTE Amクラスは98号車アストンマーチン・レーシングはクラス優勝&タイトル獲得した。タイトル争いのライバルである77号車デンプシー・プロトン(ポルシェ)は、レース序盤に長時間に渡るピット作業を強いられたことで、タイトル獲得のチャンスを失ってしまった。なお、澤圭太が担当するクリアウォーター・レーシング(フェラーリ)はクラス2位でのフィニッシュとなった。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 バーレーン
サーキット バーレーン・インターナショナル・サーキット
ドライバー アンソニー デビットソン , 中嶋 一貴 , セバスチャン ブエミ
チーム AFコルセ , Rebellion Racing , Toyota Gazoo Racing
記事タイプ レースレポート