WEC大変革。2018/19年"スーパーシーズン"よりル・マンが最終戦に

9月1日に行われた会見で、2018年以降の新しいカレンダー、ロジスティック、スポーツ&技術レギュレーションが発表された。

 WEC(世界耐久選手権)が変革の時期を迎えた。ポルシェの撤退で2018年はトヨタ1社だけが残ることになるWEC LMP1-Hクラス。これまでWECの目玉だったLMP1クラスだが、これから数年のうちに役目を終えることになるかもしれない。WECが9月1日に行った内輪の会見で、新しいシリーズの姿が少し見えてきた。

 この日発表されたのは2018年以降の新しいWEC。新生WECの目玉は3つある。それらは新しいカレンダー、ロジスティック、スポーツ&技術レギュレーションの3本立てだ。

 まずカレンダーだが、その設定にはル・マンの存在が非常に大きな役割を持つ。実はWECの中では5年ほど前から、WECシリーズの中で最も大きな盛り上がりを見せるル・マンをシリーズの最終戦に持って来る案があった。ル・マンに向けてシーズンが盛り上がることを狙っての変更だ。しかし、ル・マンが日程を変えることは無理難題であり、今後も従来通り6月半ばに開催する。すると、本来カレンダーは前の年のル・マン後から翌年のル・マンまでとなる。ちょうどフォーミュラEと同様に年をまたいでのシーズンだ。

 ただし、すでに2017年は折り返し地点を過ぎている。2018年のル・マンをシーズン最終戦に持って来ると、スパとル・マンの2戦しかカウントできない。これはルールで選手権シーズンとは認められない。そこでWECが考え出したのが、特例的に2018年初頭から2019年のル・マンまで約18ヶ月を新生WECの初シーズンとして開催することだ。WECはそのシーズンを“スーパーシーズン”と呼び、移行期の特例と位置づけた。その暫定カレンダーは以下の通り。

2018年
・4月5〜6日/プロローグ(ポールリカール・フランス)公開テスト
・5月4〜5日/スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
・6月16〜17日/ル・マン24時間(フランス)
・10月13〜14日/富士6時間(日本)
・11月3〜4日/上海6時間(中国)

2019年
・2月/未定
・3月15〜16日/セブリング12時間(アメリカ)
・5月3〜4日/スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
・6月15〜16日/ル・マン24時間(フランス)

 カレンダーを見て分かるように、このシーズンに限ってスパ・フランコルシャンとル・マンが2戦含まれている。ル・マンではこれまでのように獲得ポイント2倍の制度が撤廃されるが、何らかの形でボーナス・ポイントが追加されることになる。2019/20年シーズンは移行期を終えて、2019年10月の富士6時間を開幕戦とし、2020年6月のル・マン24時間で幕を閉じる。

 2018/19年のスーパーシーズンから、アメリカ戦としてオースチン6時間レースの代わりにセブリング12時間レースが加わる。日程は伝統的なIMSAウエザーテック/シリーズの12時間レースと同じ週末で、土曜日午前10時からIMSAの12時間レースが行われ、そのレースがゴールして2時間後の深夜0時にWECレースがスタートする。いささか無理のあるスケジュールと思われるが、WECに参戦する自動車メーカーにとればアメリカは大切なマーケット。IMSAと上手い棲み分けが必要だろう。

 セブリングが加わった代わりに、シルバーストン、ニュルブルクリンク、メキシコ、オースチン、バーレーンがカレンダーから消えた。新カレンダーにも開催地未定のレースが1ヶ所あり、そこにどのレースが入るか興味あるが、シルバーストン(イギリス)は今年で契約が切れるので復帰は難しいかもしれない。

コスト削減と新規則

 コストに関してはどうか。2018/19年は移行の年で、前述したように8レースが行われ、期間は18ヶ月。ル・マンが2回行われるが、それでもコストを2017年と同等に抑えることになっている。そして、その翌シーズンにはレース数が7レースに抑えられ、LMP2は2016年と同等のコストで活動を行う取り決めだ。これは2017年の20%減。レース数を削減すると、エントリーフィー、ランニングコスト、移動費などなどが当然下がる。各レースの間の時間が多くなれば、飛行機でのクルマの運搬が減り、船舶による運搬になる。これが移動費の削減だ。

 さらに、現行のLMP1-Hに参加しているチーム(自動車メーカー)のコストは、ハイブリッド・システムの開発なども含めて年間100億円以上かかっていると言われる。このコストは新レギュレーションにおいては論外で、参加メーカーには大幅な減額を求めていくことになる。

 レギュレーションに関しては幾つか提案はあるが、いずれも正式決定ではなく、これからFIAやACO(フランス西部自動車クラブ/ル・マン24時間レース運営組織)、参加メーカー間で調整を行い、ワーキンググループが取り決めることになっている。その時点で改めて紹介することにする。

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この記事について
シリーズ WEC , Le Mans
イベント名 Conferencia 6 horas de México
記事タイプ 速報ニュース