【WEC】デビットソンが語る、スパ終盤"トヨタ同門"バトルの真相

スパでの勝利で、今季2勝目を飾った8号車トヨタのアンソニー・デビットソンに対し、motorsport.comは独自取材を行った。

 スパ6時間レースで優勝を果たし、今季2勝目を飾ったTOYOTA GAZOO Racing TS050の8号車。そのクルーであるアンソニー・デビットソンに対し、motorsport.comは独自取材を行った。

 すでにmotorsport.comで報じた通り、今回の勝利は8号車のクルーにとって手放しでは喜べず、むしろ複雑な心境にさせるものだった。というのも序盤まで快走していた姉妹車の7号車が、2度にわたるフルコースイエローによって大幅にタイムロスし、優勝を逃したためであった。

 デビットソンに対し、8号車が7号車にタイム差をつけられていた理由について訊いた。

「スパで初めてマシンを走らせた時から、トヨタ同士で1周あたりのラップタイムが0.6~0.7秒ほど差があった。その代わり、僕たちは7号車よりも燃料消費量を大幅に節約することができていた。前を走る7号車を見たセブ(セバスチャン・ブエミの愛称)も、彼らの方がパワー面で秀でていると感じたと言っていた」

「彼らは確かに良いマシンを用意していた。僕たちが7号車をドライブしたら、彼らと同じラップタイムを出せたに違いない。普段僕たちが耐久テストを行なう時、9名のドライバーが同じマシンを共有している。その時の僕たちのタイム差はせいぜい0.2秒ほどに収まっていた。それでもスパでの2台の間には0.7秒差あった。スパでの週末はそれが常だった。予選まで懸命に8号車のセットアップを7号車仕様に寄せようと作業したんだけど、それでもこれだけの差がついた」

「フリー走行の時も、ターン1からオー・ルージュを抜け、ラディオンのてっぺんまでの区間だけでマイク(コンウェイ/7号車トヨタ)から0.4~0.5秒も遅れていた。もちろんそこはアクセル全開の区間だから、僕はそれ以上何もできない。これは8号車が抱えている難題だ。7号車は週末を通して良いマシンを用意できていて幸運だったけど、フルコースイエローは僕たちの方に味方した」

ラスト1時間の”同門”バトルの真相

 スパ6時間レースのラスト1時間は、トヨタ同士の熾烈な優勝争いが繰り広げられた。残り30分を切った段階で、首位を走行する8号車と2番手の7号車の間には17秒差ついていたが、7号車小林可夢偉の猛追により、ラスト1周でトヨタの2台はテール・トゥ・ノーズの戦いに。しかし結局、8号車のブエミがトップチェッカーを受けた。

 デビットソンは、トヨタ同士でレース終盤のタイヤ戦略が分かれていたこと、そして最後の結果が予測のつかないものであったことを明らかにした。

「(最後のスティントでは)ハードタイヤを使った。でも僕は7号車と同じようにソフトタイヤで行った方が良いような気もしていた」とデビットソン。

「僕たちはハードタイヤで行くのが安全牌だと感じて選んだ。でも(ラスト1時間で)雨が降り始めたから、ソフトタイヤの(小林)可夢偉はかなり助けられていたと思う。可夢偉はタイヤをうまく機能させていたけど、対するセブはタイヤの温度を保つのに苦戦していた」

「7号車が履いていたタイヤは、予選の時に使ったユーズドのソフトタイヤだった。本来、そのタイヤは計画上では使わないはずだった。彼らは予選でタイヤを3セット消費して、一方の僕たちは2セットしか使わなかった」

「だから僕たちは新品のソフトタイヤを取っておくことができたんだ。最後はハードとソフトどちらを使うのかという贅沢な選択の余地があったけど、結局ハードタイヤをチョイスした。ハードタイヤは僕がドライブしている間は機能していたけど、レース終盤を担当したセブやカズ(中嶋一貴の愛称)はタイヤの温度管理にかなり苦労していた。だから、最後までセブと可夢偉のタイム差が縮まらないとは限らなかった。実際にも面白いレース展開になったね」

Additional reporting by Jamie Klein

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 スパ・フランコルシャン
サーキット スパ・フランコルシャン
記事タイプ 速報ニュース