【WEC】ポルシェチーム代表「ル・マンに向けた練習ができている」

ポルシェのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、今季マシンの開発に置ける重要点について語った。

 WEC(世界耐久選手権)開幕戦シルバーストンで、ポルシェは当初の目標であった3-4位からポジションを上げ、2-3位でフィニッシュラインを横切った。

 また最後のスティント前には、一縷の望みを託すかように2号車919 Hybridにスプラッシュ・アンド・ゴーさせてトヨタ8号車の8秒前に復帰。結局、レース残り15分のところで捉えられてしまったが、ストレートの速さを活かした戦略に、少なからずとも優勝をかけていたに違いない。トヨタ陣営も、イギリス特有の天候のせいもあってか、想定以上にポルシェに翻弄されたと言う。

 ポルシェのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルに対し、今季マシンの開発における重要点について伺った。

「特に空力に関する開発が重要だった。昨シーズンが終わってレギュレーションが変更された後は、空力全体のコンセプトの見直しが必要だった。去年のクルマと比べてかなり努力しなければならなかったのだ」

 ポルシェは、ル・マンに向けてローダウンフォース仕様のエアロパッケージに、開発の重点を置いたとも明かしている。さらに、今季のパワーユニットのスペックについても詳細を訊いた。

「もちろんパワーユニットに関しても、空力レギュレーション変更によって低下する性能を取り戻すために性能向上が必要だった。エンジン本体に関しては出力と効率の向上が要求され、その他クルマ全体に関しても細かい部分、例えばサスペンション、ハイブリッドシステム、ギヤボックスにも目を配った」 とザイドル。

「エンジンに関してどうとらえるかは自由だが、新しいとはいえ基本的なコンセプトは去年と同じだ。ただし、エンジン全体をみると非常に高い比率で部品などが新しくなっている。エンジンは抵抗を減らす努力をし、作業のしやすいサイズ、パーツ交換のしやすさ、それに燃焼効率の向上を目指した。それに軽量化、これは永遠の目標だ」  

「バッテリーに関しては今季新しいスペックのものを積んでいる」

開幕戦での収穫

 シルバーストン・サーキットは、平均車速が高く、コーナーが多いという特性を持っている。ハイダウンフォース仕様のエアロパッケージでないとドラッグ不足になり、厳しい戦いになることは予測できたことであろう。しかしポルシェは『ハイダウンフォース仕様のエアロパッケージを用意できなかったため』という理由で、ル・マン24時間レースに向けて、ローダウンフォース仕様のパッケージを投入した。

 その収穫は具体的にどのようなものがあったのだろうか。ザイドルは次のように語った。

「ローダウンフォース仕様を持ち込んだ結果、全てのセッションでル・マンに向けた練習ができている。クルマのセットアップ、遅いクルマの追い抜きなど、テストでは経験できないことを今週末には行えている」

「ローダウンフォース仕様ではタイヤが非常に厳しい。デグラデーションが発生しやすいし、グリップも低い。今年は使用出来るタイヤのセット数も去年と比べて減っているので、6時間レースでも1セットで2スティント走らなければならない場合がある」

 悲願のル・マン優勝を狙うトヨタをよそ目に、ポルシェもル・マン24時間レースのタイトル防衛に向けて刃を研いでいる。3台体制のトヨタに対しても、2台で十分という結論に達したとザイドルは一蹴した。

「今年のル・マンには我々は3台目のクルマは出さない。最大の理由はコスト・エフィシェンシーだ。リソースやクルマの準備を考えると、2台で十分という結論に達した。トヨタの3台に我々は2台で挑む」

 WEC第2戦スパ6時間レースは、5月4〜6日に行われる。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 シルバーストン
サーキット シルバーストン
記事タイプ 速報ニュース