【WEC】可夢偉「問題なくて怖いくらい。昨年より確実に良くなった」

公式テスト『プロローグ』の前夜、小林可夢偉は、新型マシンの感触や新しく迎え入れたチームメイトについて明らかにした。

 2017年WEC(世界耐久選手権)に先立ってモンツァで行われる公式シーズン前テスト『プロローグ』。プロローグの前日に、トヨタは、2017年仕様の新型TS050ハイブリッドを公開した。

 今季のレギュレーションによって、新型マシンのダウンフォースレベルは低下した。またタイヤのセット数や燃料搭載量、エアロパッケージの種類に制限が設けられることとなった。

 小林可夢偉に今季のマシンの感触を訊ねると、概ね良好だと言う。

「何も問題がなさすぎて、逆にビックリしました。大体何かしら問題があるんですが、(問題がなかったので)逆に困ったというか。小さい問題もなかったです。逆にどこに(着目)しようかなってぐらい。去年よりもパワートレインが良くなっていたし、本当に何も言えなかったんですよ。ただまだアップデート用のパーツがこれから来るみたいですね」

「シャシーも良くなっています。さらなるアップデートのための課題点は分かっていますし、あとは時間の問題だと思いますね。ローダウンフォースパッケージのマシンの車の姿勢を良くしていきたいなという意向はありますが。それはここ(モンツァ)でも試せると思いますし、今後乗りやすくなっていっていくと思います」

「乗り味が進化して、さらに乗りやすくなっています。信頼性の部分もほぼ何もトラブルがありませんでした。何もなさすぎて本当に怖いくらいです」

 マシンの懸念点について訊いたが、”逆になくて困るくらい”と繰り返した可夢偉。ハイブリッドやパワーユニット関連に関して、”強いて言うなれば”という課題について可夢偉は語った。

「何もないんですよ。唯一懸念されるのは、温度が上がった時にどうなるのかってことぐらいですね。それも解消されたら、気持ち良いくらいのノートラブルになると思います。タイヤも良いのができているし。マシンとの相性も良いです」

新たなチームメイト

 すでに報じられているとおり、今季のトヨタのドライバーにはWTCCチャンピオンのホセ・マリア・ロペス、昨年のスーパーフォーミュラチャンピオン国本雄資、そしてかつてトヨタに関わったニコラ・ラピエールが新たにラインアップされている。

 同じ7号車クルーとなるロペスに対して、可夢偉は次のように語った。

「車を作る部分ではあまり一緒にやっていないので、まだよくわからないです。ただ彼は熱いですね。相手のクルマが速い状況で路面状況と相談していかにまとめて走るかというのが耐久レースですが、彼は熱いのでむしろ得意そうです。今までやったことはないと思いますが、その分、フラットに入ってきてくれているので、徐々にエンジニアも含めた7号車の体制づくりをしていこうかなと考えています」

 1台のマシンを3人のドライバーでシェアするWECは、チーム力が必須になってくる。WEC参戦3年目を迎える可夢偉は、今やチームを牽引する"役割"を持っているという。WECを戦って行く中で、必要となるチームワークについて可夢偉は語った。

「仕事をしていく上で、お互い信頼しなければならないと思います。例えば、いきたいタイミングで出させてあげるとか、ダメな時は納得してもらう為にどうやって手助けしていくかというところがチームワークです。うまくコミュニケーションをとっていかなくてはならないところですよね」

「日本人ドライバー同士で、結果によって誰が優れているかというのも、別に意識したことはないです。なぜならそれぞれのチームの間での役割が違うので。(国本)雄資はルーキーなのでとにかく走ることが優先だし、(中嶋)一貴はどちらかというと調和する役なので。僕はどちらかというとチームを引っ張る側ですかね。立場が違うのでお互いの比較はできないと思います。ただ新しいチームメイトを迎えても、基本的にアプローチは変わっていません」

 今回は、3人目の日本人ドライバーとして国本がWECトヨタの一員として仲間入りした。可夢偉は国本に対し、次のように語った。

「雄資はこれまでヨーロッパでやってきたことがないから、色んな意味で勉強すると思うんですけど、ひとりでポンと出されるよりは、僕らもTMGもいるから、むしろ恵まれていると思います。このレースで活躍してほしいなと思うし。僕らも”いけず(意地悪)”じゃないので、教えられることは教えます」

2017年の手応え

 可夢偉の話から、今季トヨタのマシンの出来や、新しく仲間入りしたチームメイトたちとの関係作りは順調であることが伺えた。その中でも可夢偉は、ポルシェとの一騎打ちになる今季に対し、慎重な姿勢を見せた。

「今のところ順調ですが、シーズンに入ってみないとわかりません。シルバーストンでもまだ何もわからない可能性がある」

「パフォーマンスも正直わからない。おそらく十分だと思いますが、ポルシェも自信満々で来てるので、分からないですね」

 トヨタは、ル・マン24時間レースを想定した30時間テストを何度か行っているという。そこでも今季のマシンの快適性が上がっていることを感じ取れたようだ。

「30時間のテストは何度か行いましたが、視界の部分は何も問題なかったですよ。最初(の頃のマシン)はもっと体力的にきつかったのですが、今のマシンはずっと楽です」

 ヘッドライトについても「明るくなって視認性が良くなった気がします」とコメント。さらに「雄資はボタンの場所がわからなくてずっと暗いまま走ってましたけどね」と続けた。

 今季の厳しいレギュレーションの制限によって、昨年と比べるとマシンのパワーの感じ方にも変化があると考えられる。しかしそれを加味しても、可夢偉は今季のマシンに手応えを感じているようだ。

「レギュレーション変更によってダウンフォースレベルが下げられたのですが、ドライバーたちがそれに気づかないくらい好調に走れています」

「技術的な部分はわからないのですが、ドライバー的には何も問題はないです。そりゃあ100馬力増やしてくださいというのは簡単ですが、それはできないですし、今年は燃料も減らされたりと、ルールが厳しくなりましたが、むしろ確実に去年より良くなっているという手応えは感じます」

 4月1・2日にモンツァでプロローグが行われた後、4月14〜16日のシルバーストン6時間レースで2017年WECは本格的にスタートする。

【関連ニュース】

新型TS050ハイブリッドの写真ギャラリーはこちら

【WEC】動画:2017年WEC TOYOTA GAZOO Racingプロモーションムービー公開中

【WEC】トヨタが新型TS050を公開。ル・マン制覇を目指し”全面改良”

【WEC】可夢偉「ル・マンで勝って王者を目指す」トヨタ陣営がコメント

【WEC】3台目トヨタのラインアップ発表。国本とラピエールを起用

【WECスパイショット】2017年ポルシェLMP1マシンの全貌が明らかに

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ WEC
イベント名 Toyota TS050 Hybrid launch
記事タイプ 速報ニュース