【WEC】2連勝の中嶋一貴。「結果は結果。でも完全には喜べない」

WEC第2戦スパ決勝で8号車トヨタが優勝を果たした。そのクルーである中嶋一貴は決勝レースを振り返った。

 WEC(世界耐久選手権)第2戦スパ決勝でTOYOTA GAZOO RacingのTS050の8号車が優勝を果たした。それに同僚の7号車が続き、トヨタは2014年WEC上海戦以来の1-2フィニッシュを達成した。

 レースの序盤では7号車トヨタが抜群のレースペースを発揮し、レースをリードしていたものの、度重なるフルコースイエローフラッグ(FCY)のせいで、2台の順位は逆転。ラスト1時間で7号車をドライブした小林可夢偉は、ものの1秒差までセバスチャン・ブエミが駆る8号車を追い詰めたが、結局トップチェッカーを受けたのは8号車だった。

 8号車のクルーである中嶋一貴は、今回のレースを振り返った。

「タイヤチョイスが難しくて、選んだタイヤがちょっと合わなかった。硬いタイヤで行ったんですけど、ちょっと失敗だったかもしれません」

 開幕2連勝という素晴らしいシーズンスタートを切った8号車だが、そのクルー達は複雑な心境にあった。というのも、マシン面で言えば明らかに好調だったという7号車のクルー、小林とマイク・コンウェイを慮ってのことだった(ホセ・マリア・ロペスは、開幕戦シルバーストンでクラッシュした際に負った怪我の療養のため欠場していた)。中嶋はチームメイト同士で繰り広げられたラスト1時間のバトルについて、次のように語った。

「チーム内のことなんで、どっちがどうというのはなかったですけど、雨がポツポツ落ちてきたのを見て、大変そうだなと思いながらも見守りました」

「もちろん、最後は無理してバトルになることはないとわかっていたんですけどね。とにかく2台とも何事もなく帰ってきてくれればいいなと思っていました」

 中嶋は今回の勝利を手放しで喜ぶことができない様子。しかしこの勝利によって、ポイントリーダーでル・マン24時間レースを迎えることとなるのは確かだ。

「結果は結果なんで。でも喜んではないです。ただ、チームとしては良い結果なのは間違いないです。これもレースですね」

「あんまり運を使いすぎたくないな、というのが正直なところです。でも去年のスパでのエンジンのことを考えたら、スパもスパかなと思いますが」

「(この運が)ルマンでも残っていればいいなと思っています。クルマ的に見直さなきゃいけないところもたくさんあるので、ル・マンはル・マンでまた(アプローチが)違うと思います。なので、まずはテストで走ってみてですね」

ル・マン仕様のローダウンフォーススペック

 今回、トヨタはエアロパッケージの戦略をチーム内で分けた。7-8号車トヨタは、開幕戦シルバーストンに引き続き、ハイダウンフォース仕様のパッケージを用意。スパでの優勝を狙ってのことだった。一方、今回のスパとル・マン24時間レースにスポット参戦する9号車トヨタは、ル・マン24時間レースに向けてローダウンフォース仕様のパッケージを投入した。対するポルシェ2台も開幕戦に引き続きローダウンフォース仕様のエアロを装着していた。

 今回トヨタとポルシェのローダウンフォース仕様がレースしたことになるが、ル・マン24時間レースでの勢力図を予測する判断材料にはならないと中嶋は考えているようだ。

「9号車のロー(ダウンフォース仕様)はポルシェとはどう見ても違うと思います。ポルシェもロー(ダウンフォース仕様を用意した)って言いますけど、どうですかね。かなり(ダウンフォースレベルを)上げていたと思います。なので(トヨタのハイダウンフォース仕様エアロパッケージと)そんなに変わらないレベルだったのかなと思います」

「モンツァで見た感じだと、(トヨタとポルシェは)似たようなところになるかと思います」

 スパでのレースが終わったことで、トヨタは本命のル・マン24時間レースに向かう。中嶋は「ル・マンはパッケージも含めて色々変わるんで、走ってみてからだと思います」と慎重な姿勢を見せた。

 中嶋は5月中旬に、オートポリスで行われるスーパーGT第3戦を控えている。WEC開幕戦シルバーストン、スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿、そして今回のWECスパと立て続けに勝利を挙げている中嶋は、冗談を交えて次のように意気込みを語った。

「ちょっと勝ちすぎですね。とはいえ、オートポリスも勝たないといけないレースですからね。落ち着いてレースしたいです」

取材/赤井邦彦

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 スパ・フランコルシャン
サーキット スパ・フランコルシャン
記事タイプ 速報ニュース