WEC、GTE Proクラスは今季限りで廃止。『GT3 プレミアム』に生まれ変わり
世界耐久選手権(WEC)は、2023年シーズンからLM-GTE Proクラスを廃止することを明らかにした。
伝統のル・マン24時間レースを前に、フランス西部自動車クラブ(ACO)が記者会見を実施。世界耐久選手権(WEC)は2024年からのGTクラス刷新を待たずして、2022年シーズンを最後にメーカー主導のLM-GTE Proクラスを終了させることを明らかにした。
WECでは現在、GTE車両によるLM-GTE ProとLM-GTE Amクラスのふたつが存在しているが、2024年からはGT3車両をベースにした新規定となることが既に発表済み。ACOはこれまで、2023年シーズンのWEC及びル・マン24時間におけるGTE Proクラスに関して、2メーカー以上、4台以上のエントリーがあった場合のみ存続させると表明していた。
現在GTE ProクラスでWECにフルシーズン参戦しているのは、フェラーリとポルシェが2台ずつ、コルベットが1台の計5台である。今週末に控えるル・マン24時間ではコルベットとフェラーリが1台ずつ増え、7台のエントリーとなっている。
ただポルシェはLMDh、フェラーリはハイパーカーを投入して耐久のトップクラスに返り咲くことを目指しており、このプログラムに注力するため来季はGTE Proに参加しないことを既に表明していた。このため、来季に2メーカー4台以上が参戦する線は極めて薄くなっていた。以上の背景もあり、GTE Proの早期廃止はFIA世界モータースポーツ評議会の投票で既に決まっていたとも言われている。
新カテゴリーとなる『GT3 プレミアム』は、GT3車両の標準キットを予算上限の範囲内で改造でき、またレース専用ではない市販のタイヤを使用することが特徴となる。
またACOは、GTE Amに関しては予定通り2023年シーズン限りで終了となることをアナウンスした。
GTE Proの盛衰
GTE ProとGTE Amは、2010年を最後にGT1が廃止されたことに伴い、かつてのGT2をオールプロとプロアマの2カテゴリーに分ける形で発足。2012年にWECが復活してからは、その一部門として存続してきた。
やがてGTE Proは人気を博し、2019年には10台がフル参戦、ル・マンには17台がエントリーするという絶頂期を迎えた。しかしその後は急速に衰退し、BMW、フォードらが相次いでプログラムを終了させた。
アストンマーチンもF1活動に乗り出したため、2020年のタイトル獲得を最後にGTE Proを去った。そのため、2021年シーズンはフェラーリとポルシェによる一騎討ちとなっていた。
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