
南米西部に位置するチリでは、2019年にWRC(世界ラリー選手権)を開催しようと計画しており、それに向けたラリーイベントが開催された。
4月20~22日にチリのコンセプシオンで行われたラリー・モービル(チリなどで行われるラリーのチャンピオンシップ)開幕戦では不備もなく、2019年の選手権開催に向けた”最終リハーサル”であるこのイベントを訪れたWRCの上級役員らより賞賛を受けた。
WRCのプロモーター代表を務めるオリバー・シエスラは、「プロモーションの観点から見ても、このラリーは本当に成果を見せた」とmotorsport.comに話した。
「国内ラリーという点では、インフラは素晴らしかった。確かなサポートがあり、我々がここで見た熱意やプライドはとてつもなく素晴らしいものだった」
「私は(ラリーの)ステージも見に行った。私は自分が専門家であるとは言わないが、ドライバーがここをドライブすることを大いに楽しむことができるだろうと想像ができた。路面は少しルースだが、非常に良いステージだ」
またラリー・モービルのオーガナイザーであるセバスチャン・エチェベリも、同様に週末のラリー開催に満足している。
エチェベリは、「我々は非常に素晴らしいイベントを開催した。改善しなければならない点があることを承知しており、すでにそれに取組んでいる」と語った。
「書類仕事やロードブック(走行経路や区間距離などが記載されている冊子)に関して、我々はミシェル(ムートン/FIA安全委員会の代表者)と非常によく協力している。真のアピールができたと考えているが、我々は学び続けている。そのノウハウを持っている人々が周囲にいるだなんて、幸運なことだ。非常に満足している」
日本での開催は?
今シーズンのWRCは全13戦で争われるが、チリは日本とケニアともに、14カ所目の開催地の座を争っている。
FIAのジャン・トッド会長は、来シーズンはサファリラリー、つまりケニアでのラリーを開催するつもりはないとすでに明かしている。2019年にチリではなく日本でWRCを開催するためには、日本はインフラや財源など、説得力のある証拠を用意しなければならないだろう。
なおWRCの日本ラウンドであるラリー・ジャパンの招致準備委員会はすでに活動を開始しており、2019年に愛知県と岐阜県を舞台に開催することを目指している。また、今年の11月には同ラリーのリハーサルイベントが開催される予定となっている。
今年の後半に開かれる世界モータースポーツ評議会において暫定カレンダーが議論され、チリでの開催が決まった場合は、3年間の開催契約が締結される予定だ。
これについてシエスラは、「インフラへの投資を行うためにも、我々は新しいイベントにチャンスを与えたい。3年契約はそれを行うための方法だ」と述べた。
この記事について
シリーズ | WRC |
執筆者 | David Evans |