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2022年”こそ”開催目指すラリージャパン。セントラルラリーから見えてきた課題と期待とは?

ラリージャパン2022の開催概要が11月12日に公表された。2年続けてコロナ禍のために中止となっているラリージャパンだが、セントラルラリーを通して、ラリージャパンへの期待だけではなく、抱える課題も見えてきた。

Central Rally 2021

写真:: Izumi Hiromoto

 2019年にラリージャパンのプロモーションイベントとして開催された国際格式ラリー「セントラルラリー」の2021年大会が11月12日~14日、愛知県および岐阜県を舞台に開催。それに先駆け、スタート直前の12日、大会のメイン会場となる愛知県豊田市の豊田スタジアムにて、2022年のラリージャパンの開催概要が発表された。

 大会の正式名称は「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」で、WRC2022年シーズンの最終戦となる第13戦として11月10日~13日に開催される。

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 開催エリアは愛知県の岡崎市、豊田市、新城市、設楽町、岐阜県の恵那市、中津川市の2県・6市長で、大会のメイン会場となるヘッドクオーターおよびサービスパークは豊田スタジアムに設置されることが発表された。2020年大会のメイン会場として予定されていた愛・地球博記念公園、通称“モリコロパーク”がジブリパークとなったほか、2021年大会に予定されていた名古屋市内でのセレモニアルスタートもコンパクト化の影響で大会の開催エリアから外れたものの、名古屋市およびモリコロパークの長久手市も引き続き2022年のPRに協力していくという。

Central Rally 2021

Central Rally 2021

Photo by: Izumi Hiromoto

 記者会見には自由民主党モータースポーツ振興議員連盟の会長である古屋圭司氏、愛知県知事の大村秀章氏、岐阜県知事の古田肇氏のほか、株式会社フォーラムエイトの伊藤裕二社長、株式会社サンズの鈴木賢志社長、GAZOO Racingカンパニーの佐藤恒治プレジデントらが出席し、それぞれに開催に向けた熱い思いを力強く語るなど、2022年のラリージャパンに対する期待が伺えた。そして、各氏がスターターを務める形で幕を開けた2021年のセントラルラリーも、まさに2022年のラリージャパンのテストイベント的な位置づけで、期待と課題の見えてきた一戦となっていた。

 SS距離で約300kmを有するWRCに対して、セントラルラリーのSS距離は約83kmと距離こそ短いが、大会組織員長の高桑春雄氏によれば「約8割のコースが2022年のラリージャパンに使用されると思います」と共通部分は多い。つまり、同ラリーはサービスパークのみならず、スペシャルステージにおいてもWRCを想定して設定されていたのだが、そのステージ構成は魅力的であり、長年に渡ってラリー競技を取材してきた筆者にとっても期待値の高い内容となっていた。

■魅力的なステージ設定

 まず、レグ1に設定されていた9.36kmの「Nukata Forest Short」、10.11kmの「Lake Mikawako Short」は2019年の大会と同様にともに道幅の広い高速ワインディングになっており、民家を走り抜ける“街抜け”を設定。ラリージャパンの際はスタート地点、フィニッシュ地点を延長してSS距離が拡大されるほか、関係者の話によればスタートとフィニッシュ地点が入れ替わるようだが、この愛知県側のSSはヨーロッパをベースにした他のラウンドのようにダイナミックかつスペクタクルなアクションを観戦できることだろう。

Central Rally 2021

Central Rally 2021

Photo by: Izumi Hiromoto

 また、4.77kmの「Shinshiro」は全日本ラリー選手権の新城ラリーで使用されている「鬼久保」で、道幅の広い高速ステージと定着している。さらにギャラリーステージとして設定されていた1.44kmの「Okazaki City」は文字どおり、岡崎城に面した河川敷の特設コースで、コンパクトではあるものの、アクセスがしやすいことから、“お祭り”のような感覚で気軽にラリーカーの派手なドライビングを観戦できるはずだ。

 一方、レグ2に設定された13.16kmの「Ena City」、今大会で初めて採用された3.84kmの「Asahi Kougen」、そして、2.73kmの「Inabu Dam short」はいずれも日本特有のナローでテクニカルなステージで、各エントラントは“勝負どころ”としてスリリングなアタックを実施するに違いない。いずれもスタート、フィニッシュ地点を変更すればSS距離の延長が可能で、岐阜県側のSSもすぐにWRCのステージとしてアレンジできることだろう。

 愛知県側の「Leke Mikawako」は熊野神社、「Okazaki City」は岡崎城、岐阜県側の「Ena City」は街抜けのほか、伐採地のパノラマエリアが設定されるなど、それぞれにシンボリックなポイントがあることからラリージャパンの名物SSになる可能性が高い。

 このようにラリージャパンは愛知県と岐阜県で各ステージのキャラクターが異なることから、それゆえにドラマチックなバトルが期待されており、実際、FIAおよびJAF規定を対象にした“カテゴリー1”、ヒストリックカーを対象にした“カテゴリー2”を含めて計61台が集結した2021年のセントラリーにおいても各クラスで激しいバトルが展開。しかし、その一方で、いくつか克服すべき課題が見つかったことも事実である。

■一方で課題の存在も

 まず最大の課題が、アイテナリーとリエゾンを中心とする“ラリールートの再構築”にほかならない。

 2021年の大会ではSS1でヒストリックカーがクラッシュしたことからラリーが中断されたほか、岡崎市内の渋滞により約30分間の遅延が発生。この結果、SS7の「Shinsiro」が完全なナイトステージとなることから、安全上の理由によりキャンセルされることとなった。ただでさえ、秋の紅葉シーズンと重なり、行楽渋滞が予想される日程となっているほか、わずかな遅延でSSがキャンセルされただけに、スケジュールとラリールートと合わせて、事前にライトフィッティングゾーンを設けて、ナイトステージとして開催するなど一部、ラリー構成の変更も必要になるだろう。

「FIAはナイトステージの設定を推奨していないことから、ラリージャパンでは3日間をバランス良く構成したいんですけれど、そのためには日没の関係から早朝に出発しなければならない。そうなってくると凍結の問題もでてきます。今回は好天に恵まれましたが、仮に雨に濡れて深夜に冷え込めば路面が凍ってくるので、そういったリスクも発生してきます」と苦しい胸の内を語るのが前述の高桑氏だ。

Central Rally 2021

Central Rally 2021

Photo by: Izumi Hiromoto

 ただ、そういった課題が現時点で見えているだけに、2022年のラリージャパンでは、アイテナリーおよびラリールートともにブラッシュアップされてくるはず。ちなみに前述の通り、SS1ではヒストリックカーでクラッシュが発生したものの、オフィシャルの対応は迅速かつ適正で、すでに世界基準にあるように思う。

 もちろん、今大会はサービスパークおよび「Okazaki City」を除けば無観客で行なわれていたことから、ギャラリーに対するケアは一部だけに留まっていたが、2022年のラリージャパンが有観客で行なわれるようであれば、駐車場や観戦エリアへの誘導などギャラリーに対する対応がさらなる課題となってくるに違いない。

 以上、簡単にセントラルラリーで見えてきた、2022年のラリージャパンに対する期待と課題について触れてきたが、過去2回に渡って中止となってきただけに、ひとりのファンとして来季はWRCが日本で開催することを願ってやまない。

 なお2021年のセントラルラリーでは、全日本ラリー選手権でJN1クラスのチャンピオンに輝いたTOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦がGRヤリスを武器に好タイムを連発。スバルチームアライでスバルWRXを駆る新井大輝を抑えて総合優勝を獲得している。 

 
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