昨年トヨタで王座獲得、今年はヒュンダイへ……タナクは新天地でも輝けるか?
昨年、トヨタのヤリスWRCを駆り王者に輝いたオット・タナク。今季はTOYOTA GAZOO Racingからヒュンダイ陣営へと移籍したが……その初戦は衝撃の大クラッシュに終わった。タナクは新天地でも輝けるか?
Ott Tanak, Martin Jarveoja, Hyundai i20 WRC, Rallye Monte Carlo
Akos Jobbagy
2019年のWRCでチャンピオンに輝いたオット・タナクは、同年限りでトヨタを離脱し、今季ヒュンダイに移籍した。そのパフォーマンスが注目を集める中、タナクはデイ1のSS1で2番手タイム、SS2で3番手タイムを叩き出すなど順調な走りを披露していた。
デイ2のオープニングステージSS3でも、タナクは3番手タイムをマークしていたのだが、続くSS4で衝撃的なコースアウトを演じている。幸いドライバーとコドライバーは大事に至らなかったものの、マシンが大破したことで、そのままリタイアになった。
このクラッシュについてトヨタの関係者は、冗談めかして「ヤリスWRCとダウンフォースが違うから飛び出したんでしょう」と語っていたが、筆者にはあながち、その言葉は間違っていないと思えた。
クラッシュの原因について「あそこでコースアウトしたことに自分でも驚いている。おそらく、レッキの時に勘違いがあったんだろう」と語っているが、「このマシンを学ぶためにもっと長い時間があったほうがベターだった」と付け加えたように、やはりi20クーペWRCに不慣れだったことが、クラッシュの最大の原因だったのではないだろうか?
ラリーはレース以上にドライバーのスキルがリザルトを左右するモータースポーツで、エスケープのないスペシャルステージで全開走行するためには、マシンに対する理解と自信が不可欠である。開幕戦のラリー・モンテカルロはヒュンダイで7年目を迎えたティエリー・ヌービルとトヨタへ移籍したばかりのセバスチャン・オジェ、エルフィン・エバンスの三つ巴のバトルとなったが、命運を左右したのはマシンの習熟度だったに違いない。
「今回はただのクラッシュで、ラリーではよくあること。自信をなくすこともないよ」とタナク本人は語っているが、このクラッシュがタナクのメンタリティにどのような影響を及ぼすのか? 仮にタナクの言葉どおり、このクラッシュがスランプへの入口にならなかったとしても、今大会で多くのマイルを稼げなかったことは、タナクにとってリザルト以上にネガティブな出来事だと言えるだろう。
マシンを知り尽くしたヌービルに加えて、オジェ、エバンスもトヨタで最初のラリーで表彰台を分け合うなどライバルが力強くなっているだけに、初戦で躓いたタナクにとって、ディフェンディングタイトルは厳しい道となるかもしれない。
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