ヒョンデWRC、トヨタのステージ11連勝も”心配なし”? 新代表アビテブール「彼らがベンチマークなのは確かだが……」
ヒョンデWRCのシリル・アビテブール代表は、ラリー・モンテカルロで印象的なスタートを切ったトヨタについて、心配はしていないと語った。
写真:: McKlein / Motorsport Images
WRC開幕戦ラリー・モンテカルロは競技3日目までを終え、14ステージ中12ステージをトヨタのヤリスWRCが制する支配的なパフォーマンスを見せた。総合順位でも、セバスチャン・オジェとカッレ・ロバンペラがワンツー。エルフィン・エバンスが総合4番手、勝田貴元が総合6番手と、上位に名を連ねている。
総合3番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がSS12~SS13で最速タイムを記録するまで、オジェやロバンペラ、エバンスがステージ優勝を飾り、最速タイムを譲らなかったのだ。
対するヒョンデ勢はヌービルこそ優勝争いに残っているものの、ダニ・ソルドとエサペッカ・ラッピはマシンからスピードを引き出すのに苦労しており、それぞれ総合7番手と8番手にとどまっている。
3人のヒョンデドライバーは、コンディションが悪化することを想定してチームが選択したセッティングが、ペース不足の原因であると述べている。例年、雪や凍結路まじりの難しいコンディションとなるラリー・モンテカルロだが、今年はほとんどドライ。ところどころにアイスパッチがある程度となっている。
ヒョンデの新チーム代表であるシリル・アビテブールは、2023年仕様に改良されたトヨタ『GRヤリス』が現在のベンチマークカーだと考えているが、現時点でのペース不足は気にしていないようだ。
アビテブールはmotorsport.comに、「昨年のモンテカルロよりずっといい」と語った。
「率直に言って、その差は1年以内にカバーできるモノだ」
「トヨタとそのドライバーたちに、すぐに良い時が訪れているということには同意する。これは明らかにあのクルマが今、どのような状態にあるのか示している。おそらくベンチマークなのだろう」
「でもあまり心配することはないと思う。これからたくさん分析することになるだろうし、もし明らかに性能が劣っていたとしても、追いつくチャンスは十分にあるはずだ」
「我々は(セットアップの面で)ほんの少し保守的になっていたようだ。今年は天候がずっと良いので、コンディションの変化に癖があるのかもしれないし、もう少しアグレッシブに走れたかもしれない」
「我々はみんな学んでいるし、長いシーズンになりそうだ。そうなって、逆転することを望んでいる」
「セッティングをいくつか変更したところ、思い通りにクルマが反応するようになった。このラリーにとっても、シーズンにとっても良いことだし、明日のタイヤの状況やタイヤ戦略にも自信を持っている」
チームの状況についてヌービルは、高速区間ではトヨタが有利だと感じており、それを打ち消すためにこの週末にチームができることはほとんどないと認めている。
「昨日よりは間違いなくいい1日だった」とヌービルはmotorsport.comに語った。
「特に高速区間では、まだパフォーマンスが不足している。マシン(のセットアップ)が柔らかすぎるため、正確さに欠け、動きすぎてしまうのだ。特に高速走行では、まだパフォーマンスが不足している」
「ラリーに持ち込めるダンパーは限られているし、みんな同じセッティングなので、これ以上の解決策はない」
トヨタから移籍したラッピは、ステージ12で右リヤのパンクに見舞われたものの、土曜日のペースアップに勇気づけられたようだ。
「一晩で、僕にとって良いセッティングを見つけることができた」
「フィーリングは悪くなかったけど、タイムが出なかったんだ」
「今日は昨日と同じように走り始めたが、マシンがもっとポテンシャルがあると教えてくれたので、よりハードにプッシュした方が安全なくらいだった。だからタイムが急に良くなったんだ。ある意味シンプルで、ブレーキを少し早く離せばいいだけの話だったんだ」
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