FIA、チームにパワーステージでの"戦略的な遅刻"の対処を求めるも叶わず

FIAはWRCメキシコのパワーステージで"戦略的なアプローチ"を取らないように求めたが、結局事態を避けることができなかった。

 FIAは各チームに対し、WRCラリー・メキシコのパワーステージで戦略的なアプローチを取らないように求めたが、結局タイムコントロール(TC)への到着をわざと遅らせたドライバーが数名現れることになった。

 先月行われたラリー・スウェーデンのパワーステージで、Mスポーツのセバスチャン・オジェが良いコンディションの路面を走行するべく戦略的な遅刻をして、ペナルティを受けるという出来事が起こった。

 スノーやグラベルラリーは、基本的に他のマシンによって踏みならされた路面を走行する方が良いペースを発揮できるため、走行順によってタイム差が出やすいイベントだ。

 FIAはスノーラリーのスウェーデンに引き続き、グラベルラリーのメキシコでも"タイムペナルティを受けようとも良いコンディションで走行することを望むドライバー"が戦略的な遅刻をする可能性があると予期。この状況に対処するため、各チームに対し解決策を提示するよう"アドバイス"したという。

 なお、現状どのコントロール地点であっても遅刻することを完全に禁ずるレギュレーションは存在しない。

 結局、チームはその解決策をFIAに提示することはなかったようだ。あるチームの関係者は次のように語った。

「なぜ我々側から解決策を提示しなくてはならないのだろうか。チームは自分たちのベストのために最善を尽くしている。これは(解決策を編み出すのは)FIAの仕事だろう」

 さらにヒュンダイのチーム・マネージャーであるアラン・ペナスは次のように語った。

「オジェのような前例がすでにある。以前我々はポルトガルで(ヘイデン)パッドンに遅刻をさせることを検討したが、スポーツマンシップとイベントが生中継されていることを考慮し、行わなかった」

「しかし誰かがやり始めたのなら他の者もそれに続くだろう。他に解決策はない」

「私はオジェが間違っていたとは言わない。むしろルールに則っていたため、もし私が彼の立場であれば同じことをしただろう。彼は何も間違ったことをしていないし、私はMスポーツのその決断に敬意を払っている」

 シトロエンのクリス・ミークもペナスの意見に同調。WRCメキシコのパワーステージ前に次のように語っている。

「誰もスウェーデンでのセブ(オジェの愛称)の行いを責めることはできないだろうし、確かに意義のある行動だった」

「しかしそのイベントの後、誰かしらは『もしパワーステージのTCに遅刻したドライバーがトップ5に入った時、そのドライバーのポイントを剥奪する』というような簡単なレギュレーション変更案を提案することができたんじゃないかと思う」

「そのような提案があれば、この騒ぎをすぐに終わらせることができたはずだ。しかし僕たちは何も変更もなくパワーステージに向かうことになる。20分間のライブ中継が回る中、(全員が戦略的な遅刻をすることで)予定時刻内にパワーステージを走行するドライバーが現れない可能性もあるだろう。それは素晴らしいライブ中継になるだろうね」

 結局、WRCラリー・メキシコのパワーステージでは、ヒュンダイのティエリー・ヌービルとトヨタのオット・タナクがTC予定時刻から遅れて到着。タナクはトップタイム、ヌービルは3番手タイムをそれぞれ記録し、ボーナスポイントを獲得した。そのふたりの走行の様子は、国際映像で放送されなかった。

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この記事について
シリーズ WRC
イベント名 ラリー・メキシコ
ドライバー クリス ミーク , セバスチャン オジェ
チーム シトロエン・ワールドラリー・チーム
記事タイプ 速報ニュース