ハイブリッド化で迎えるWRC新時代。FIAはヒュンダイのシミュレーションで成功を確信?

FIAは、ヒュンダイが来季のWRCに備えてシミュレーションを実施したことを受けて、各マニュファクチャラーが来季の新レギュレーション導入に向けて、十分な準備ができると信じている。

ハイブリッド化で迎えるWRC新時代。FIAはヒュンダイのシミュレーションで成功を確信?

 2022年に、ハイブリッドシステムの搭載を含めた新たなレギュレーションが導入されるWRC(世界ラリー選手権)。各マニュファクチャラーは、新型マシンの開発を進めている。

 中でもヒュンダイは、ステージやロードセクション、フル電動モードでの走行が義務付けられるHEVゾーン、サービスなどを含むラリーのフルシミュレーションを初めて実施したマニュファクチャラーとなった。

 3日間で1458kmを走行したこのテストは、2022年マシン開発のために割り当てられた30日のテストの一部であり、さらに近日中にはマシンの最終プロトタイプのテストも行なわれる予定となっている。

 このテストには、FIAのスタッフも少数ながら参加。FIAラリーディレクターのイブ・マットンや、テクニカルディレクターのジェローム・トゥケもその一員だった。

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 世界的に新型コロナウイルスが流行している中で、大幅なルール変更を行なうことで、チームが2022年の開幕戦に準備を間に合わせることが出来ないのではないかという懸念の声も挙がっている。

 実際ヒュンダイはこのテストで新技術に関する初期トラブルに見舞われていた。しかしマットンは、このテストで目の当たりにしたことに満足しており、トヨタ、M-スポーツを含めた3チームが、来年1月20~23日に開催される開幕戦ラリー・モンテカルロに向けて順調に準備を進めているはずだと考えている。

「すべてのメーカーにとって、あらゆることがうまくいっているように見える」

 そうマットンはmotorsport.comに語った。

「しかし、メーカーの状況に深く関与していない限り、それを知ることは難しいものだ。だが間違いなく、大きな問題もなくフルラリーをこなすことができたという、最も重要な結果がこの3日間で得られた」

「モンテカルロが最初のステップだ。その後はマシンの性能や信頼性を向上させようと改善を続けていくだろう。しかし、モンテカルロにクルマがあるかどうか、何かおかしなことが起きるだろうかという心配をする必要はなさそうだ」

「素晴らしいのは、(新しいクルマは)ファンを喜ばせてきた現行マシンと同じように見えるし、ステージでもよく似ているんだ。さらに、(フル電動モードで)音を立てずに村を通り抜けることができる。マニュファクチャラーが現在市販しているようなタイプの(車の)特徴を示すことができたんだ」

 今回のテストでは、いくつかの問題が浮き彫りになった。そのひとつは、フル電動モードから内燃機関を使った走行への切り替えが容易でないことで、ティエリー・ヌービルはテスト中にこの問題をFIAに指摘していた。

 ヌービルは全体的にはポジティブなコメントを残していたが、モンテカルロに向けての準備はまだできていないと語り、新しいハイブリッドマシンに適応するためには、さらなるテストが必要だと強調した。

「確かに、もっともっとテストをする必要がある。僕らはどこか中途半端な部分を残していると思う」

 また、新マシンで懸念されているのが、コドライバーの新しい座席位置だ。コドライバーはこれまで、重心の関係で車内の低い位置に座っていたが、来年からはドライバーと同じ高さに座ることになる。これは高い位置に座ることでコドライバーの安全性が向上するという研究結果を受けて決定されたことだ。

 マットンはFIAがコドライバーと座席位置について議論し、変更を実施していると語ったが、妥協点を見つけなければならないとも認めた。

「ラリー・スペインでも、コ・ドライバーとの意見交換を行なっている」とマットンは言う。

「ラリー・スペインでもそうだったが、コドライバーからのフィードバックをもとに、最良の妥協点を見つけようとしている。しかし、安全面とコドライバーの快適性の間には常に妥協が必要だ。確かに、彼らの興味深いフィードバックを考慮に入れている」

 
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