FIA、次世代WRCの技術規定を承認。2022年からプラグイン・ハイブリッドマシンに
FIAの世界モータースポーツ評議会で技術規定が承認されたことで、次世代のWRC車両にはプラグインハイブリッドシステムが搭載されることが正式に決まった。
写真:: Toyota Racing
FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)は、WRCの技術規定であるラリー1規定を承認した。2022年から導入される予定の次世代WRC車両には、100kWのプラグインハイブリッドシステムが搭載されることになる。
この技術は、ステージでのパワーアップだけでなく、ロードセクションでの使用も視野に入れられている。今年3月には、このハイブリッドシステムの単独サプライヤーがドイツのコンパクト・ダイナミクス社に決まっており、システムのテストは来年2月から行なわれることになっている。
また安全性を向上させるために、ラリー1規定のマシンはドライバーとコ・ドライバーの背後のロールケージを強化してねじれ剛性を高める他、ドアバーを強化することで側面の衝撃保護性能も高められる。
WMSCで承認されたその他の変更点としては、コストを削減するために各クルーが使用できるエンジンを3基から2基へと減らすことや、アンチラグシステムからフレッシュエアバルブを取り除くことなどが決まっている。
FIAのラリーディレクターであるイヴ・マットンは、次のように語った。
「将来を見据えて、ラリー1の哲学として次の要素が重要になる。ひとつ目は持続可能なハイブリッド技術、ふたつ目は安全性の向上、3つ目はコストの削減だ」
「これらの要素は、2年前にこのルールを導入した時よりもさらに重要になっている。ハイブリッドの導入は、2022年に向けてマニュファクチャラーのコミットメントを得るための鍵であり、WRCへの導入を延期することは考えられなかった」
「近い将来、これについてもっと多くのことをお伝えすることができるはずだ」
またFIAは、ラリー2車両についても電動化を導入することを発表しており、マイルドハイブリッドシステムが搭載されることになるという。小型のリチウムイオンバッテリーとベルト駆動のスタータージェネレーターの組み合わせで、10bhpパワーアップするようだ。
FIAは声明の中で、ラリー2車両のマイルドハイブリッド化の目的について「ラリー1のために開発されている、パフォーマンス志向のプラグインハイブリッドシステムではなく、既存の市販車技術をモータースポーツの舞台にどのように移植できるか実証すること」だとしている。
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