ブリーンの悲劇から学べ! WRC、安全向上に注力「我々は決して学ぶことを止めない」
FIAは、クレイグ・ブリーンの死亡事故に関する徹底的な調査から得られた教訓をもとに、世界ラリー選手権の安全性を向上させるための措置を探ると誓っている。
写真:: Red Bull Content Pool
33歳のクレイグ・ブリーンがラリー・クロアチアに向けたテスト中に悲劇的な死を遂げたことで、FIAはWRCの安全向上に向けて取り組みを加速させている。
ヒョンデのシリル・アビテブール代表は先日、事故の詳細について説明。クラッシュで木の柵に衝突した際、その支柱がマシンのキャビンに侵入していたことを明らかにした。
FIAラリーディレクターのアンドリュー・ウィートリーは、調査開始以来、すでに「多くの情報」を受け取っており、WRCの運営組織は、今後の安全性の向上を目指してあらゆる側面を評価していると述べている。
ウィートリーはクロアチアで集まったメディアに対し、「現在進行中の調査があり、今後も続くだろう」と語った。
「我々は、今後取るべき措置があるかどうかを一方的に言える立場ではない。FIAには専門チームがあり、今後どのように進めていくかを理解するためにあらゆる機会を調査していることは保証できる」
「クレイグのアクシデントに関する詳細は非常に独特であり、それに対する簡単な解決策があるとは思えない」
「我々は多くの情報を持っているが、結果を共有する立場にはない。クレイグを取り戻すことはできないが、できる限りの対策を講じるようにすることはできる」
ブリーンの悲劇的な事故は比較的低速で起きたことが確認されたが、ウィートリーによれば、FIAはラリー1マシンの速度全般を常に見直し、マシンの自然な進歩と開発により安全性が損なわれないようにしている。
昨シーズン、WRCはハイブリッドのラリー1規制を導入し、ハイブリッドブーストを作動させると500馬力を発揮する車両を誕生させた。このレギュレーションは、ハイブリッド技術の導入だけでなく、より強靭なスペースフレームシャシーとセーフティセルが採用され、すでに徹底的なテストが行なわれている。
「もちろん、それ(速度)は常に考慮している。というのも、現実には毎年スピードが上がっていくからだ」
「FIAは、安全、技術、スポーツのいずれにおいても、安全性とスピードのバランスをどの時点でとるかということを常に考えているんだ」
「我々は皆、非常に困難な一週間を過ごしてきた。クレイグという友人を失ったし、スポーツの頂点に立つドライバーを失うことは非常にまれであるためだ」
「ドライバーに話を聞くと、彼らは今のクルマを愛しているし、運転するのはエキサイティングだし、もう十分だという者はいない」
「現在進行中の絶え間ないプロセスの一環として、我々は自分たちが今いる場所を評価しているのだ」
ウィートリーはまた、イベント前のプライベートテストにおける安全基準についても、組織内で議論されていることを認めた。
「現実には、テストにはかなり強い規制があり、彼ら(チーム)が使用できる日数は限られている。そして、彼らはこれらのテストを計画するために主催者とFIAに申請しなければならない」
「しかし、明らかにプライベートテストの安全レベルは、何年も前から準備されているWRCのイベントと同じではない」
「この悲劇的な事故から学んだことは、10%の可能性を8%や6%にするために何ができるかを理解する必要があるということだ。我々は決して学ぶことを止めないと思うし、この経験と情報を使って、どんな小さな変化を起こせるかを理解できるようにしたい」
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