ヒョンデWRC、FIAとブリーンの死亡事故をあらゆる角度から検証中。木の柵が運転席に直撃、車両にトラブルはなし
ヒョンデとFIAは、WRCのテスト中にクレイグ・ブリーンが命を落とすこととなった事故について、あらゆる側面から見直すために協力しているという。
先日、WRC(世界ラリー選手権)ラリー・クロアチアに向けたテスト中の事故でクレイグ・ブリーンが命を落とすという悲劇に見舞われたヒョンデ。チーム代表のシリル・アビテブールはクロアチアに集まったメディアに対し、あらかじめ用意していた声明を読み上げる形で事故の状況などを説明した。
アビテブールによると、事故は比較的低速で起こったものの、クラッシュの際に木の柵に接触し、それがドライバー側のサイドウインドウから運転席に直撃したようだ。また、ヒョンデ i20 Rally1の車両自体には何も問題は起きていなかったという。
そしてアビテブールは、ヒョンデとFIAによる事故調査が進行中であるとして、次のように述べた。
「クレイグは昨日埋葬された。我々にとっても非常に感傷的な時間だった」
「チームメイトとして、ライバルとして、そして友人として素晴らしい人物だったクレイグに対する悲しみは未だ生々しい」
「今回の事故についてまず我々から言えるのは、クレイグはクロアチアでのプレイベントに参加していた。路面は滑りやすい状態で、車両は道を外れて比較的低速で木の柵に衝突した。この柵がドライバー側のサイドウインドウからキャビンに進入したのだ」
「ステージは直ちに閉鎖され、メディカルチームが迅速に現場に駆けつけた」
「(コ・ドライバーの)ジェームス・フルトンに怪我がなかったことも伝えなければならないが、我々は彼のことを心から心配している。彼をサポートするために出来る限りのことをしていく」
「クレイグはステージから病院へと搬送された。判断し得る限り、彼の死は瞬間的なものであった」
「ヒョンデ・モータースポーツとFIAは、この事故のあらゆる側面を検証するために協力している」
「確認できる限りでは、車両、タイヤ、安全装置など、あらゆる要素において問題はなかった。地元警察はその場で報告書を作成した」
なおヒョンデは、ブリーンの遺族やコ・ドライバーのフルトン、そしてチームメンバーと慎重に協議を進めた結果、ラリー・クロアチアへの参戦を決定した。ティエリー・ヌービル、エサペッカ・ラッピの2台体制での参戦で、チームは追悼カラーリングをまとって参戦する。
アビテブールはこう続ける。
「今週末のクロアチア・ラリーに向けて、クレイグの家族や友人などのあらゆる関係者が、そしてクレイグ自身の競争心が、ラリーへの参加を望んでいることは明らかだった」
「我々はどうすればクレイグに最大限の敬意を評することができるのか熟考した。その結果、我々は2台のマシンに、クレイグのルーツであるアイルランドを意識した特別なカラーリングを施すことにした」
Photo by: Uncredited
「クレイグは素晴らしい人物だった。それは彼の家族や友人も同じだ。この一件でラリー界は団結しているが、それは彼が高く評価されていたことの証だ」
「この週末にはクレイグを追悼する様々な取り組みが行なわれる。カラーリングだけでなく、ホスピタリティ・ユニットには弔辞の書かれた本が置かれ、皆に署名をお願いしたい。これは遺族に共有されることになる」
「我々が現段階で話せるのは、以上となる」
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