耐久レース挑戦が噂されるヒョンデ、実現した場合WRCはどうする? 撤退か参戦継続か……チーム事情から考える

LMDh車両を開発してスポーツカーレースに参入することが噂されるヒョンデ。仮にそれが現実のものとなった場合、現在参戦するWRCへの影響が注目される。

Andreas Mikkelsen, Torstein Eriksen, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1

Andreas Mikkelsen, Torstein Eriksen, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1

写真:: Austral / Hyundai Motorsport

 韓国の自動車メーカーであるヒョンデは、近い将来のWEC(世界耐久選手権)参戦を目指して、LMDh車両の開発を準備しているのではないかと噂されている。彼らが実際にスポーツカーレースに進出する場合、既存の参戦カテゴリーであるWRC(世界ラリー選手権)の計画には何らかの影響があるのだろうか?

 結論から言えばその影響は現時点では不明だが、WRCラリー・ポーランドのサービスパークでは、WECのプログラムが持ち上がることによってヒョンデがWRCから撤退するのではないかという噂が流れたのも確かだ。

 とはいえ、ヒョンデの自動車分野でのキャパシティを考えれば、WECとWRCの両方でレースプログラムを運営することは十分可能だろう。また、仮にヒョンデがWRCからの撤退を選ぶ場合、少なくとも現行レギュレーションの最終年である2026年までに撤退するのは、様々な理由を加味すると奇妙な判断だと言える。

 WRCでは元々、2025年からラリー1車両の規則を変更することがFIAによって検討されてきた。その新規則はハイブリッドシステムを廃止するなどして車両の性能を落とすというものだったが、これらは参戦メーカーの強い反対があったため実現には至らなかったという背景がある。

 またヒョンデは昨年から、かつてF1チームを率いていたシリル・アビテブールをチーム代表に招聘。以来アビテブールはWRCの魅力やメーカーの費用対効果を向上させるため、WRCに変革を促すという重要な役割を担ってきた。そういった働きかけもあり、FIAとWRCプロモーターは今年、選手権のプロモーション等を改善するためのいくつかの将来的ビジョンを明らかにした。

 アビテブールはFIAが様々な方針転換をしたことも絡めつつ、ヒョンデの将来について次のように語った。

「我々は今年と来年の計画を実行しつつ、(車両規則が変更される)2027年という長期的な視野に立った取り組みに集中する」

「ビジネスとテクノロジーの観点からこの競技の方向性を理解し、それが我々にとってどのようなものかを見極めたい」

「もちろん、我々が競技をこういった方向に押し進めたのだから、その我々がこの競技への参戦を維持しないのはおかしいと思われることは否定しない」

 なお、FIAは今年12月に2027年以降の新たなテクニカルレギュレーションを発表する予定。FIAとしては、安定性や市販領域との関連性を提供することで、既存のメーカーを引き止めるだけでなく、新たなメーカーを惹きつけることを期待している。

 

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