答えは”消し炭”の中……ヒョンデ、WRCラリージャパンで出火トラブルもマシン全焼により「原因は把握できない」
ヒョンデ世界ラリーチームのジュリアン・モンセは、ラリージャパン序盤でダニ・ソルドのマシンを襲った火災トラブルの原因を解明できる可能性は低いと考えている。
2022年シーズンの世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパン。ヒョンデ世界ラリーチームのダニ・ソルド&カンディード・カレラ組は、マシン炎上によってリタイアとなったが、チーム代表のジュリアン・モンセは、その火の手の激しさから原因の特定は難しいと考えている。
ソルドのヒョンデ『i20 N Rally 1』は、ラリー2日目のSS2「伊勢神トンネル」の16.1km地点で右リヤタイヤ付近から出火。マシンストップを余儀なくされた。
ソルドとカレラはマシンが炎に包まれる前に脱出し、車載の消火器で消火に当たった。後続のガス・グリーンスミス&ジョナス・アンダーソン組(M-Sport世界ラリーチーム)も消火作業に協力したものの炎が弱まることはなく、WRCはステージを赤旗でキャンセルとした。
最終的に火は1時間10分後に消し止められたものの、マシンは全焼。ソルド組はラリー序盤でのリタイアを強いられた。
マシン炎上の原因はまだ不明だが、ソルドは燃え上がる前にコックピット内で強いガソリンの臭いを感じたと語っていた。
モンセによると、マシン炎上の深刻さから残骸はわずかしか残っておらず、チームが原因を突き止められるかどうかは不明だという。ただ、ラリークロアチアでオリバー・ソルベルグ&エリオット・エドモンソン組がクラッシュを喫した後にマシン炎上となったケースとは異なると明かしている。
「データもないし、クルマも残っていない。いくつかの仮説はあるが、どれが正しいかは分からない」
そうモンセは語る。
「ソルベルグのクルマに起きたこととは違う。彼はスピンを喫して、ダメージを負ったエキゾーストがクルマの中に押し込まれたのだ」
「これは明らかに異なる問題だ。燃料の問題か、あるいは何か別のモノが燃えたのか、はっきりしない。間違っているかもしれないが、(原因が)分かることはないだろう」
Dani Sordo, Hyundai World Rally Team
Photo by: Red Bull Content Pool
「(火災の酷さには)驚いていない」
「これらのマシンはほぼカーボン製だ。ロールケージやスペースフレームを除けば、残りはフルコンポジット(カーボン)だし、早朝のステージということもあり燃料タンクはほぼ満タン、大きなバッテリーもある。だからこれら全てが組み合わさると、一端(火災が)起きると止めるのはとても難しい」
モンセはマシンを焼失したことを残念がる一方で、来年1月のモンテカルロで迎える2023年の開幕戦に向けて現在のシャシーを引退させ、ニューマシンに置き換える予定だと語っている。
「しいて言えば日本は今季の最終戦だし、今後このクルマを使う予定はなかった。モンテカルロでは、新たなスタートを切るのだ」
「残念でならない。ただ誤解を恐れずに言えば、もし2連戦のラリーなら、もう1台作り上げることはできないから、もっと悪い状況になっていたかもしれない」
「今はモンテカルロに集中しなければならないが、組み立てやワークショップの計画に変更はない。多くの資源と資金が炎に包まれたのは残念だ」
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