M-スポーツ、新規定の2022年WRCカー開発に自信。少数のスタッフで作業進める
M-スポーツのWRCプログラム責任者であるリチャード・ミルナーは、2022年向けの車両開発が順調に進んでいると話した。
写真:: M-Sport
新型コロナウイルスの影響で、シーズンが中断されている世界ラリー選手権(WRC)。M-スポーツ・フォードのリチャード・ミルナーは、この空き時間を利用し、2022年に向けた車両開発を進めていると認めた。一方、そのベースモデルとなるフォードの車両はまだ発表されていないという。
ミルナーは来年初めまでに走行が可能なテスト用のミュールカーを準備することを目指している。ミュールカーは、現行のフィエスタWRCと同じベースのエンジンを搭載し、コンパクトダイナミクスが提供するハイブリッドシステムが組み合わされる。
WRCは2022年から、マシンに搭載されたバッテリーのエネルギーを利用し、ロードセクションや主催者が指定したステージを走ることができる。
ここ数週間で、FIAおよびライバルメーカーであるトヨタやヒュンダイと、技術規則の詳細について合意できたのは大きかったと、ミルナーは語った。
「予期していなかった空き時間により、我々のデザイナーがマシンの初期設計と研究をうまく進めることができた」と、彼はmotorsport.comに説明した。一方で、チームの本部にいるスタッフが一時的に98%減少したこともあるという。
「順調ではいるが、開発に取り組んでいるスタッフはごくわずかしかいない。同時にいくつかの新たな課題に挑戦しているので、現時点で全てが完璧に進んでいるわけではない」
「2022年のマシン開発に現段階で関与している人たちは、(ラリー)イベントがあってもそこに出ていくことはないだろう。でもイベントがないことで、手元のタスクに集中することがより容易になった」
フォードのスポーツ部門であり、WRCにおいてM-スポーツの技術パートナーであるフォード・パフォーマンスも、ミルナーやM-スポーツの開発チームと定期的に連絡を取り合っているという。
「彼らなしではこのプロジェクトは不可能だろう」と、ミルナーはフォードについて述べた。
「彼らは我々に、クルマの特定の領域だけでなく、全ての部品のデザインを提供して助けてくれている」
「ヨーロッパとアメリカの、様々なフォードの担当者と日々ミーティングをして、最高のクルマを作れるよう協力している」
「新たなレギュレーションは2022年の開幕戦で施行される予定だし、それほど時間が残っているわけではない」
「現実的には、その12ヵ月前からクルマを走らせたいと思う。ご存知のように、あまり時間はないんだ」
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