激突まで1.5m。ヌービル、ステージ途中で“路駐”に遭遇し混乱「何が起こったのか分からなかった」ヒョンデ代表は改善要求
WRCラリージャパンDAY3では、ゼロカーがステージ上で停車していたことでSS9が赤旗中断となるアクシデントが発生。その現場に遭遇したヒョンデのティエリー・ヌービルが当時の状況を語った。
世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパンDAY3のオープニングステージ(SS9)では、ゼロカー(セーフティカー)がステージ途中で路肩に停車しているというアクシデントが発生。現場に遭遇したヒョンデのティエリー・ヌービルは、何が起こっているのか分からなかったと語った。
前日デイリタイアを喫していたヌービルはこの日、第1出走。先頭で全長20.32kmの額田の森SSを駆け抜けて行ったが、8.6km地点でコース脇に停車していたゼロカーに遭遇した。
本来ゼロカーはコースの状況を確かめるため競技者に先行してステージを走るはずの車両であり、ステージモードで走っていたヌービルは困惑した様子ながらも減速し、ゼロカーに乗るオフィシャルから前へ進むようにとジェスチャーを受けると、残りのステージをロードモードに切り替えて走りきった。
このアクシデントが原因で、SS9は赤旗が提示されてステージが一時中断。ヌービルに続いてSS9をスタートしていたトヨタの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組、M-スポーツのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組、ヒョンデのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組もこの影響を受けた。
当時の状況を尋ねられたヌービルは次のように答えた。
「(ゼロカーが)停車していたよ。問題を抱えていたのか分からないけど、いきなり僕の視界に飛び込んできた。(ゼロカーとは)1.5mの距離だったよ」
「それからゼロカーは先へ行くように指示をして、僕を通過させてくれたけど、明らかにそういう場合だと僕らドライバーは何が起こったかは分かっていないんだ」
そしてヌービルは、自身がゼロカーに遭遇する前に赤旗が提示されるべきだったと示唆した。
「道に人がいるかもしれないし、前からクルマがやってくるかもしれないから、僕は赤旗を振ってメッセージを伝えてくれる方がいいな」
「僕らは何が起きているのか分からなかったからね」
Photo by: Fabien Dufour / Hyundai Motorsport
Thierry Neuville, Martijn Wydaeghe, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1
この件について調査を行なったFIAは、危険な場所にいた観客を移動させるためにゼロカーが対応を行なっていたと説明した。
「土曜日朝、フォーラム8・ラリージャパンのSS9で、イベントゼロカーがステージ上の危険な場所に立っている観客に遭遇し、そこに停車して観客に対して移動するように求めた」
「ラリーコントロールには、ゼロカーが安全な場所に移動し、ステージでの競技開始が許可されたことが知らされた」
「11号車の乗組員(ヌービル)はステージのスタート地点から8.6kmのところで、まだステージ上にいたゼロカーに接近した」
なおヒョンデのシリル・アビテブール代表は、赤旗をドライバーに伝えるシステムにも問題があったとして、状況の改善を求めた。
「赤旗のシステムも機能していなかったので、コミュニケーションに問題があったと思う」とアビテブール代表は言う。
「全体的にコミュニケーションが上手くいっていなかったと思う、間違いなく、こういったモノは将来的に改善されるはずだ」
「ラリーの世界を、自動車産業の象徴としたいのであれば、繋がりや連携が重要であるというのは誰でも分かっている。我々はこの問題を解決する必要がある」
ラリージャパンでのアクシデントを受けて、FIAはさらなる調査を約束した。
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