WRC開幕戦はトヨタの“圧勝”。しかしヒョンデ勢はそれほど焦っていない?「心配する必要はない」とヌービル
ティエリー・ヌービルは、WRC開幕戦ラリー・モンテカルロでトヨタ勢が見せた速さを恐れてはいないものの、ヒョンデにはやるべきことがあると語った。

2023年WRC(世界ラリー選手権)開幕戦ラリー・モンテカルロでは、トヨタ勢が圧倒的なパフォーマンスを見せた。セバスチャン・オジェが優勝を飾ったのもさることながら、ステージ優勝の回数も16回(全18ステージ)、トップ6に4台が食い込むなど他メーカーを圧倒した。
一方ヒョンデは、ティエリー・ヌービルが2度ステージ優勝を記録して3位に入ったのが最高位に。最終的にオジェとは44.6秒の差をつけられた。
開幕に向け、トヨタは『GRヤリス』、ヒョンデは『i20 N』の空力をアップデートして臨んだが、トヨタはエンジンにも改良を加えたこともあってか明確にスピードの差を見せつけた。しかしヌービルは、冬型のスノーコンディションに備えたセッティングがうまくマッチしなかったことがヒョンデの苦戦に繋がったと考えており、今後に向けてトヨタとのペース差はそれほど心配していないようだ。
トヨタの速さを恐れているかと尋ねられたヌービルは、こう答えた。
「それほどでもない。昨年のスペインでも彼らは強かったし、僕たちは40秒ほど離されてしまった。でも日本では僕たちの方が強く、1分近い差をつけて優勝できた」
「1年前と比べると前進したのは確かだ。ただ1ヶ月半前の日本では僕たちの方が強かったけど、ここでは少し劣っていたということだ。僕たちの考えていたセットアップや天候がうまく噛み合わなかったので、週末を通してペースが上がらなかったんだ」
「でも不安に思う必要はないと思う。まだやるべきことが残っているのは分かっている。こういうラリーでは1日しかテストができないので、あらゆるコンディションで戦えるように仕上げたけど、今回のラリーは完全なドライになってしまい、普通のターマックイベントになった」
「スピードはそれほどなかったかもしれないけど、一方で悪くもなかったはずだ。だから心配する必要はない」
昨年の開幕戦は信頼性の問題にペース不足も相まって6位に終わったヌービル。表彰台でシーズンをスタートできたことに満足しているようだ。
「表彰台でシーズンを始められることはいつだって良いことだ」とヌービル。
「期待していたようなペースではなかったし、もっと優勝争いに絡みたかった。しかし最善は尽くしたがそれは叶わなかった。とはいえ昨年と比べると良いスタートになったと思う。スピードはそれほどだったかもしれないけど、それほど悪くもなかったので危機感を感じる理由もない」
また今季からヒョンデの新代表に就任したシリル・アビテブールも、この結果について過度にネガティブになるべきではないと考えている。
「表彰台に登れたので、ここから積み上げていくべきだ。チームは進歩したのだからネガティブになり過ぎる必要はない」とアビテブールは言う。
「(トヨタに)追いつく時間はたっぷりある。ただ同時に、序盤に失ったポイントはシーズンを終える時にも効いてくる。出来るだけ早くトップに立てるようにしなければいけない」
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