ヌービル、勝利を目前にヒュンダイの”持病”で危機一髪。サポートしてくれたマーシャルに感謝
WRC第11戦ラリー・スペインで優勝したヒュンダイのティエリー・ヌービル。だが彼は最終ステージを前にマシントラブルを抱えるという”危機”に陥っていたという。
写真:: Austral / Hyundai Motorsport
WRC第11戦のラリー・スペインは、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが優勝を飾った。すでにドライバーズタイトル獲得の権利は失っていたが、ダニ・ソルドと共にポイントを稼ぎ、何とかトヨタのマニュファクチャラーズタイトル戴冠を最終戦へと持ち越すことができた。
デイ1から総合トップを維持していたヌービルは、最終SS17を残した時点で2番手以下に21.3秒のリードを築き、今季2勝目をほぼ確実なものとしていた。ところが、彼は最終SS17のスタート前にマシントラブルに見舞われており、優勝どころか完走も風前の灯火となっていた。
最終ステージへのスタートに向かうところで、リヤから火を吹いたヒュンダイi20を、ヌービルとコ・ドライバーのマルタイン・ヴァイダエヘが”押して”いたのだ。
幸い、リグループ・セクション(ラリーカー同士の順番を整え、間隔を調整するエリア)までマシンを移動させることができたヌービルは、マーシャルの助けもあって再始動に成功し、最終ステージに臨むことができた。
その後ヌービルは、滑りやすいコンディションのパワーステージで2番手タイムを記録。トヨタのエルフィン・エバンスに24.1秒の差をつけて、今季2勝目を挙げた。
ヌービルは、スターターモーターの問題でマシンが”心臓発作”を起こすことを恐れていたと認め、マーシャルから受けたサポートを称賛した。
「文字通り、マシンが燃えていた。火が出ていたんだ。だが、これは残念ながら今シーズン何度も直面している問題で、まだ解決していないようだ」
「時々、クルマがスタートを拒否することがあって、運が良ければどこかのタイミングでスタートできることもあるし、できないこともある」
「唯一の方法は、マシンを押すことだ。幸運にも今回はリグループからそれほど離れていなかったので、マルタインと僕は、クルマをリグループに押し戻すことができた。そしてそこではマーシャルの助けを借りることができるんだ」
「またも幸運なことに、十分な数のマーシャルがサポートしてくれて、クルマがすぐにスタートしたので(走行を)継続することができたんだ」
「もちろん、今は笑顔だよ。ステージ前に”心臓発作”を体験していたからね」
「しかし最終ステージで雨が降ってきたこともあり、かなりのストレスを感じていた。ストレスは大きかったけど、冷静になって仕事をした」
ヌービルは金曜日午前の段階で、深刻なアンダーステアに悩まされ、ハンドブレーキ(サイドブレーキ)を駆使してマシンを曲げていかなければならなかったという。しかしエンジニアが提案したセットアップの大幅変更が功を奏し、金曜の午後から土曜日にかけて8ステージ連続で最速タイムをマークした。
「金曜日の昼間にセットアップを変更したことが基本的に決め手だった」とヌービルは付け加えた。
「エンジニアに背中を押されて、少し大胆な変更をしてみた。 この判断は正しかったと言わざるを得ない。すぐにクルマのフィーリングが良くなった。金曜午前は顕著だったアンダーステアが減ったんだ」
「その後は非常に快適で、ミスのないクリーンな走りができたので、最終的に勝利を得ることができた。この結果自体には、僕たちがどれほど苦労したかを示すものではないだろう。最終ステージまでは、全てが完璧に機能していたんだ」
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