ヒュンダイWRC、来季に向けてハイブリッドで走り込み。”プライベートラリー”でシミュレーション

ヒュンダイは、ハイブリッドシステムが導入される来季のWRCに向けて、プライベートラリーを実施し、ハイブリッドの運用を含めたシミュレーションを行なった。

ヒュンダイWRC、来季に向けてハイブリッドで走り込み。”プライベートラリー”でシミュレーション

 WRC(世界ラリー選手権)の2021年シーズンも残すは最終戦モンツァのみ。このイベントで、ドライバーズとマニュファクチャラーズの両タイトル争いが決着する。

 そして来季から、WRCはハイブリッドシステムの搭載を含む新たなレギュレーションに移行する。トヨタやヒュンダイ、M-スポーツは新マシンの開発を行ないながら今季を戦ってきたのだ。

 それぞれ、すでにプロトタイプのマシンで実走行テストを行なっているが、ヒュンダイはレギュラードライバーを投入しての本格的なシミュレーションテストを実施。開幕戦モンテカルロのコンディションを想定し、北イタリアで3日間のプライベートラリーを行なった。

 このテストには3人のドライバーが参加。初日はオット・タナク、2日目にティエリー・ヌービル、最終日はダニ・ソルドがドライブを担当した。中でもヌービルは最も多くの走行を担当。144kmのステージ、554kmのロードセクションの他、新たに来季から取り入れられる”フル電動モード”での走行が義務付けられるHEVゾーンを想定した走行も7.7kmこなしている。

 ヒュンダイは、2022年に向けてマシンをフルモデルチェンジを行なう予定であり、今回のテストは新しいシャシーやエアロ、ハイブリッドシステムの問題点を解決するための貴重な走行機会となった。

 ヌービルは午前中にいくつか問題に遭遇したものの、午後はハイブリッドへの適応がスムーズに走行できたと感じているようだ。

 スムーズな1日だったかと訊かれ、ヌービルは「実際のところイエスだ」と答えた。

「朝、ステアリングの接続に問題があり、ボタンが効かなくて再スタートできなかったが、それを解決してからは続けて走ることができた。一度だけ燃料切れを起こしたが、それ以外は午後になっても問題はなかった。最後の5ステージでは、ハイブリッド・キットを一度リセットしなければならなかったが、すぐにリセットして、また走り出すことができた」

「早い時間にスタートして、遅い時間まで走っていたが、とても参考になった。特に、1日に3つの異なるステージでハイブリッドを体験することができたからね」

「一日中、同じ道を走っていると、良いフィーリングを得るのは難しいが、ここでは3つの異なるステージをテストした。(ハイブリッドのブーストについて)良くなってきているし、午後にはかなり良い動きをしていたので、良いステップだと思う」

 ヌービルは、空力パーツの削減やセンターデフの廃止、サスペンションダンパーのストローク量の減少などを含む新しいレギュレーションに批判的なドライバーのひとりだが、ハイブリッドの要素は興味深いものになると考えており、頑丈になった新シャシーには可能性があり、現行のマシンに比べて安全になったと考えている。

「クルマはそれほど悪くない。シャシーの面では現在のものより進化している。現行シャシーに対する不満がすべて解消されたわけではなく、新しい問題もいくつかあるが、我々が求めている主なことは解決されている」

「シャシーには多くのポテンシャルがあると感じている。クルマはまだ進化し、もっと良くなっていくはずだ」

 またヌービルは、フル電動モードへの切り替えは簡単な一方で、そこから再びエンジンを使った走行に移る場合は、一旦マシンを止めてギヤを1速に入れる必要がある点については、改善すべきだとFIAに問題提起している。

 
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