WRCスウェーデンでタイヤトラブル続発。ピレリは「内圧不足と路面コンディションが原因」と説明
ピレリは、WRCラリー・スウェーデンで発生した3本の異常なタイヤトラブルについて、低い内圧とスタッドタイヤに適さないコンディションだったことが原因だと説明した。
写真:: McKlein / Motorsport Images
WRC第2戦ラリー・スウェーデンは、シーズン唯一のフルスノーラリーであり、WRCのコントロールタイヤサプライヤーであるピレリは、金属製のスパイクが埋め込まれたスタッドタイヤを持ち込んだ。
しかし、ヒョンデのクレイグ・ブリーンとエサペッカ・ラッピ、そしてM-スポーツのオット・タナクが、土曜日の午後に相次いでフロントタイヤにデラミネーション(トレッドが剥離する)トラブルに見舞われてしまった。
SS13でトラブルに見舞われたラッピは、その影響でスノーバンクに突っ込んでしまい、7分のタイムロス。総合3番手からトップ10圏外に落ちてしまった。
ラッピのチームメイトでラリーリーダーだったブリーンは同SS13のストレートで、タナクはステージ14でそれぞれ左フロントにデラミネーションが発生している。
ピレリは一連の事故について調査を行ない、一部のタイヤが推奨のタイヤ内圧よりも低くなっていたことを確認したという。ピレリのラリー・アクティビティ・マネージャーのテレンツィオ・テストーニは、路面のグラベルが露出していたため、スタッドタイヤの使用に適さないステージ・コンディションだったと述べている。
「今日の出来事について調査の結果、スタート時に推奨した空気圧よりもフィニッシュ時の空気圧が低いケースがあったことが分かった。今日まで、こんなに低いタイヤ空気圧は見たことがない」
「また午後の路面コンディションは、午前中のピュアなウインターコンディションとはまったく異なり、グラベルが多く露出し、スタッドタイヤには不向きなラフな路面になっていたことも挙げられる」
「タナクがSS14で、スタートからわずか3kmのところでスローパンクチャーを喫したのも、この状況が原因だった。スピードは関係ない。もしスピードが高ければ、午前中にも問題が起きていただろう」
M-スポーツのリチャード・ミルナー代表は、ラリー・スウェーデンに向けた準備としてタナクが参戦したエストニア・ラリー開幕戦オテパア・ラリーでは問題が起きなかっただけに、今回のトラブルは驚きだと語った。
一方で高速コーナーではなく、ストレートで問題が発生したことはラッキーだったという。
「ピレリは、彼らの見解とアドバイスを伝えるために会いに来てくれた」
「そのうちのひとつが内圧だ。それだけじゃなくてタイヤの熱やキャンバーのセッティングなど、いろいろなことが考えられる」
「テストやラリーでは何も問題なかったので、ちょっとびっくりした。タイヤに影響が出ないよう、いろいろと工夫をしたが、何かが起きてしまった」
「オットは本当にラッキーだった。その前の4~5つのコーナーはアクセル全開のコーナーだったから、彼はかなり苦労していたはずだ。その点では、我々は少しばかり運が良かった。根本的なことは、二度と起こらないようにすることと、原因を突き止めることだ」
一見同じように見えるふたつのトラブルに見舞われたヒョンデのシリル・アビテブール代表は、今後問題が繰り返されないようにピレリと協力することを熱望している。
「誰もが限界までプッシュしているし、明らかに我々は限界を目の当たりにしている」
「このようなことが二度と起こらないようにするために、ピレリとともに腰を据えて取り組む必要がある。特に、7ステージ中5ステージで勝利し、競争力を発揮した日にこのようなことが起こったので、残念でならない」
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