ヒョンデ離脱のオット・タナク、Mスポーツ・フォードへの移籍決定。かつての古巣から2023年でWRCタイトル狙う
世界ラリー選手権へ参戦するMスポーツ・フォードは、2023年シーズンに向けてオット・タナクの加入を発表した。
Ott Tanak, Hyundai World Rally Team
McKlein / Motorsport Images
オット・タナクが、2023年の世界ラリー選手権(WRC)にMスポーツ・フォードから参戦することが発表された。
タナクは、ヒョンデで厳しいシーズンを過ごした後、契約が1年残っている状態で離脱条項を行使。タナクはメディアに対して2023年はサバティカル(一時休養)も選択肢に含まれていると語り、これまで移籍先が明らかとなってこなかった。
2019年にタイトルを獲得したTOYOTA GAZOO Racingへの復帰も噂されてきたが、今回Mスポーツ・フォードに移籍することが発表されたことで、憶測に終止符が打たれた。
Ott Tänak, M-Sport with Malcolm Wilson, M-Sport Managing Director
Photo by: M-Sport
なお、Mスポーツでの前任クレイグ・ブリーンは、フォード『プーマ Rally1』で苦戦した後、2年契約を1年残して解消。来季はタナクと入れ替わりという形でヒョンデ入りを果たし、ダニ・ソルドと3号車『i20 N Rally1』をシェアすることとなっている。
タナクは2017年にMスポーツでWRC初優勝を獲得し、トヨタで2シーズンを過ごした後、2020年からヒョンデへ移籍。3シーズンで5勝を挙げた後、WRCキャリアの出発地点となった古巣に復帰し、再びコ・ドライバーのマーティン・ハルベオハとコンビを組むこととなった。
Mスポーツ復帰に際し、タナクは次のようにコメントしている。
「Mスポーツは僕をドライバーとして育ててくれた場所であり、WRCでトップレベルのドライバーになるために厳しい特訓や経験値を与えてくれた場所だ」
「世界チャンピオンになってから、僕はタイトルを防衛することができなかった。それが達成できるまで、僕は心の平穏を見つけることはできない」
「マルコム(ウイルソン/Mスポーツのマネージングディレクター)とは何度も話し合い、来シーズンに向けて同じ志を持っている。大きな挑戦にはなるが、僕は(Mスポーツの拠点がある)ドーベンビー・ホールの人たちを知っている。そして何ができるかを僕は分かっている。彼らの情熱があれば、タイトルに挑戦できる」
「Mスポーツ・フォードWRCチームに戻ってこれて嬉しい。来年、僕らは全力を尽くしていくよ」
Ott Tanak, Martin Jarveoja, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1
Photo by: McKlein / Motorsport Images
今年初めの時点でMスポーツは、財政的な課題が残っているものの、タナクと契約を結ぶ意向を明かしており、今回それが現実のモノとなった。チーム代表を務めるリチャード・ミラーナーは、タナクという新戦力によってタイトルも期待できると考えている。
「オットがMスポーツのレーシングスーツを着て戻ってくるのは、ドーベンビー・ホールのみんなにとって重要な瞬間になる」とミラーナーは言う。
「2023年シーズンの目標は、我々にとってもオットにとっても明確……ドライバーズチャンピオンシップで勝つことだ。この目標を共に達成するためには多くのハードワークとエネルギーが必要になるが、我々にはその挑戦に対する準備と覚悟ができている」
「オットのようなドライバーは、2023年に我々のポテンシャルが最大限発揮し、前進するためにチームのやる気と勝利への渇望を高めるカギになる」
「我々は2022年にプーマで多くの経験を積んだ。マシンでの強みを理解し、我々に相応しい結果を得るためにはオットがドライバーに適任だと確信している」
またウイルソンは、タナクがMスポーツのグレイストーク・フォレストの試験場でプーマをテストしていることを認めている。
「彼はドーベンビーへ行き、我々の施設を見て、グレイストーク・フォレストでプーマをテストした」とウイルソンは言う。
「オットは最初のフィードバックから、我々が2023年の世界タイトルに挑めると自信を見せていた。オットが数日間滞在してくれたことで、ラリーで勝つためにどのレベルが必要なのかが浮き彫りになった」
Mスポーツは、2023年のWRCに何台のプーマを投入するかはまだ決めておらず、ドライバーラインアップを確定していない。
ここ3シーズンをMスポーツからフル参戦しているガス・グリーンスミスは、今季7戦で印象的な走りを見せたピエール-ルイ・ルーベとシートを争うこととなる。
また、今季限りでヒョンデを離れるオリバー・ソルベルグは先週、Motorsport.comの姉妹媒体である英国Autosportに対して、プーマでのWRC参戦が2023年のオプションとして残っていると明かしている。
なお、9度の世界チャンピオンであるセバスチャン・ローブは、開幕戦モンテカルロを制した2021年に続き2022年もスポット参戦を果たす可能性についてチームと話し合っている。
WRC 2023ドライバーラインナップ
TOYOTA GAZOO Racing WRT
- カッレ・ロバンペラ
- エルフィン・エバンス
- 勝田貴元
- セバスチャン・オジェ(スポット参戦)
ヒョンデWRT
- ティエリー・ヌービル
- エサペッカ・ラッピ
- ダニ・ソルド/クレイグ・ブリーン
Mスポーツ・フォード
- オット・タナク
- TBA
- TBA
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