FIA会長のジャン・トッド、WRCにおける耐久性の重要さを説く

FIAのジャン・トッドは、世界ラリー選手権の長距離ステージを廃止し、耐久性を試すことはしないという意見に反対している。

 FIAの会長であるジャン・トッドは、世界ラリー選手権(WRC)において長距離ステージを廃止し、耐久性を試すことはしないという意見に反対している。

 トッドは、先週末に行われたWRCツール・ド・コルスで、耐久性を試すという要素はWRCにおいて未だにシリーズの象徴と挑戦の一部として掲げることができると述べた。

 現在WRCの全イベント主催者はWRC関係者からの"プレッシャー"を受け、イベントのステージ距離を縮めるようとしている傾向にある。先月開催されたラリー・メキシコはその一例であり、2016年シーズンの中で最も長距離で困難であった50マイル(80km)に及ぶステージは、2017年には35マイル(55km)に短縮され、さらに今年は19マイル(30km)となった。

 さらに今季のツール・ド・コルス最終日のパワーステージ前には1ステージしか設定されておらず、その距離も35マイル(56km)となっており、前代未聞の出来事となっている。

 現在のラリーの形式についてトッドに訊くと、彼は次のように語った。

「難しい質問だ。私にとってラリーとはスプリントではなく、耐久であり冒険でなければならない」

「個人的に私は夜間ステージが本当に好きだ。ナイトラリーを見に行く人々に会うのが好きだったし、もっとサービスパークを見たいと思う。しかしこれはラリーの将来像というより、過去のラリーであるということを私は理解している」

「しかし、コルシカのオープニングステージ(全長30マイル)を見たときは衝撃的だった。彼らはスペシャルステージで何も情報を得ることができずに、イベントをスタートすることとなった」

 その一方、あるイベント主催者は次のように語った。

「我々が受け取るメッセージは常にどっちつかずだ……ラリーに耐久性を持たせることを反対するチームもいる。昨年パリとジュネーブで行われた(FIA主催の)会議では、そのような考えに皆が同調している気がした」

 トッドはイベント主催者に対し、ステージ距離を短縮するようにプレッシャーをかけているかどうか訊かれると、次のように語った。

FIAからのプレッシャー? 少なくとも私はそんなプレッシャーをかけていない」

 トヨタのチーム代表であるトミ・マキネンは、現在のWRカーはもはや耐久性を考えて作られていないと指摘している。

 トッドはラリーに耐久性を持たせることにより、イベントを予想不可能なものにすることができると付け加えた。

「実際のレースで抱える問題を知っているだろうか」とトッドは提起した。

「今のマシンの信頼性は完全に高いだろうか? F1を例にあげると、物事はかなり効率的になっている。ファクトリーでシミュレーションを重ねることで、マシンの信頼性が高くなっているのだ」

「それはスポーツにとってあまり良くないものだと感じているが、我々は事態が予測できない状況になるのが好きだ。レースにはそういった出来事が必要だ」

 トッドは今後、より多くのラリーで主要なコンポーネントの使用を強制するレギュレーションを変更すれば、イベントで予測不可能な要素が増える可能性があると述べた。

「例えば、シーズン中に使用できるエンジンやトランスミッション、ギヤボックスを制限することができるかもしれない。そうすれば予算も抑えることができる。イブ(マットン/FIAのラリー・ディレクター)がチームと話し合いを行い、提案を行ってくれるだろう」

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シリーズ WRC
記事タイプ 速報ニュース