”インポッシブル”なミッション完了! トヨタWRC、規則変更に対応しながら土壇場アップデートの離れ業
トヨタは、2025年のWRCレギュレーション変更に対応し、マシンをアップデートするという”不可能”に近い仕事を成し遂げた。
世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦ラリー・モンテカルロで圧勝したトヨタは、2025年のレギュレーション変更に対応しながら、マシンを大きくアップデートするという”不可能に近い”ミッションを成し遂げた裏側を明かした。
昨年は最終戦ラリー・ジャパンで、大逆転のマニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタ。2025年に向けて、レギュレーション変更に対応しながら3つのホモロゲーション・ジョーカーを費やしてGRヤリスのアップデートを果たしている。
ただ、WRCは昨年11月という遅い段階で2025年のレギュレーションを正式決定。ハイブリッドを廃止し、エアリストリクターを35mmに縮小することが決定したため、トヨタは当初の開発計画の修正を余儀なくされている。
テクニカルディレクターのトム・ファウラーによると、チームはモンテカルロに間に合うようにアップグレードを完了させるのに6~8週間しか時間がなかったが、各部門とサプライヤーの”コラボレーション”のおかげで、この偉業を成し遂げることができたという。
この期間でトヨタはエンジン、カムシャフト、エキゾーストマニホールドをアップグレード。さらに新たなギヤ比を用意した。当初はディファレンシャルのアップデートが予定されていたが、ハイブリッドの廃止によりこの部分は開発が凍結されている。
「チームにとって重要なのは、残り6~8週間で開発を変更しなければならないことが分かったことで、その間に新しいカムシャフト、新しいエキゾーストマニホールド、そして5つのギヤ比を作ることができた」
ファウラーはmotorsport.comを含むメディアにそう語った。
「エンジン部門、トランスミッション部門、サプライヤーの大きな協力があってのことだった」
「ギヤを作り、マニホールドのパーツを作り、カムシャフトを削り出すのにかかる時間を計算すると、標準的な納期では不可能だ。そのため、我々はいくらか好意に甘え、トリックを駆使しなければならなかった。そのようなことができたのは、エンジニアと設計者のおかげだ」
Sébastien Ogier, Vincent Landais, Toyota Gazoo Racing WRT Toyota GR Yaris Rally1
Photo by: Toyota Racing
「リストリクターを小さくすると、回転域によってエンジンの特性が変化する。そのためチューニングする以前より、低回転域を使うことが重要になったんだ。だから土壇場で、エンジンにジョーカーを使って変更を施した」
「モンテカルロには常に新しいエンジンを用意しているが、リストリクターのサイズがニュースになった昨年10月と11月に開発計画を変更したんだ」
「カムシャフトとエキゾーストマニホールドを新しいインテークサイズ専用にチューニングしたんだ。つまり、エンジンに2つのジョーカーを使ったことになる」
「同時に、シャシー・ジョーカーを使ってギヤボックスのギヤ比を変更した。もう一度言うが、それは予定していたモノではなく土壇場での変更だった」
モンテカルロでは5台のGRヤリスのうち3台にすべてのアップグレードが施されており、勝田貴元とサミ・パヤリには後日、2025年フルパッケージが与えられる事になっている。
モンテカルロでは、セバスチャン・オジェが通算10回目のモンテ制覇を果たした。2位にはエルフィン・エバンスが入った他、スーパーサンデーでもパワーステージでもトヨタがトップ2を譲らず、まさに最高の滑り出しを見せている。
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