次期WRC車両をテスト中のトヨタ、現状はあくまで“プロトタイプ”と説明「市販モデルと結びつけて期待してくれているが……」
トヨタはスペインで、新型WRC車両のプロトタイプをテストした。
トヨタは2027年のWRC(世界ラリー選手権)新規則導入に向けて準備を進めており、スペインで最新のプロトタイプ車両を走らせた。
WRCは来年施行される新レギュレーションによって、大きく変貌を遂げることになる。FIAの枠組みでは、車両コストは34万5000ユーロ(約6500万円)に上限が制限されており、基本的には現行のRally2車両をベースとする。サスペンションはダブルウィッシュボーンとなり、ブレーキやステアリングは現行Rally2から派生したものが採用される。
トヨタは、新技術規則に基づくマシンの開発を正式に表明している現時点で唯一の主要メーカー。彼らは昨年からプロトタイプのテストを開始しており、今年2月にはポルトガルでのテストの様子がSNSに投稿され、初めてその姿が明らかになった。その際の画像では、現在WRCで使用しているGRヤリス Rally1とは大きく異なるボディ形状が確認されている。
トヨタのWRCドライバーたちは、9度の世界王者であるセバスチャン・オジェを除く全員がテストに参加。またトヨタは、2019年の王者オット・タナクにも開発テストを依頼している。
現時点でチームはこのマシンの正体について口を閉ざしており、エンジニアリング責任者のケビン・ストライフは、あくまで「プロトタイプ」と表現している。これは2027年マシンの最終仕様の確定に向けた開発段階にあるためだ。
今週も、スペインで行なわれたテストの画像や動画が新たに公開されているが、ボディ形状はより市販車のGRヤリスに近づきつつも、リアエンドはトヨタのC-HRに似た特徴を持つことが確認されている。
ストライフはラリー・クロアチアでmotorsport.comの取材に応じ、初期のプロトタイプテストに続いて、新たなミュール(テスト用)シャシーの製作が進められていることを明かした。
「現時点では単なるプロトタイプのラリーカーに過ぎない」とストライフは言う。
「2027年には、ラリー史上かつてないレベルでボディの自由度が大きくなるレギュレーション変更が行なわれるが、メーカーとしてどの方向性に進むかの選択肢がまだ明確ではない。そのため、現在はそのベースとなるミュールカー、プロトタイプカーとして開発している段階だ」
「多くの人たちが特定の市販モデルと結びつけて期待してくれているが……現時点ではどのモデルとも関係はない。ただのプロトタイプだ。我々はポルトガルで見られたミュールカーの開発を引き続き進めており、今月(4月)もテストを継続する」
「近々、別のシャシーも完成し、より最終仕様に近い形の車両でテストを行なう予定だ。というのも、開発開始当初はFIAによって完全には明確になっていなかった技術的要素があったためだ」
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