WRCの走行順に"予選システム"が復活か。ワークス中心に話し合いへ
WRCスウェーデンでドライバーがコンディションによる不利益を被ったことにより、走行順システムの見直しが行われる可能性がありそうだ。







WRCラリー・スウェーデンでセバスチャン・オジェ(Mスポーツ)をはじめとしたドライバーがコンディションによる不利益を被ったことより、今後のイベントにおける走行順システムの見直しが行われ、"予選システム"が復活する可能性がありそうだ。
第2戦WRCラリー・スウェーデンの初日で第1走目となったオジェは、クラシックラリーが行われた後にできた深い轍の中を"雪掻き役"となって走行することとなった。初日で出遅れたオジェは、その後もタイムを伸ばすことができず結局10位でイベントを終えた。
オジェはルール変更が必要だと主張しなかったが、Mスポーツのチーム代表であるマルコム・ウイルソンは、以前あった"予選システム"を復活させる議論を行いたいと熱望した。
「私は予選ルールのコンセプトが好きだった。予選コンセプトが終了した2013年末よりもマシンやドライバーのレベルは近いだろう。スウェーデンの後、そのコンセプトが復活するような良いことがあると思う。コンディションのせいで世界チャンピオンが10位となったのだ」
「彼が小さなミスを犯し、金曜日で少しタイム落としたのであればわかるが、そうでもないのに彼があのようなポジションにとどまるのは不相応だろう」
「間違いなく、予選コンセプトの導入は再考すべき価値があると思う」
WRCに参戦するマニュファクチャラーは、この議題について話し合うことをFIAに推進したため、走行順に関しては今月開催されるラリー・メキシコでの主な話題となりそうだ。
"予選システム"は2012~13年シーズンで実施されていた。予選を行なって初日の走行順を決定し、2日目以降は初日結果のリバーススタートするというものだったが、予選で速かったドライバーが最終日まで最も有利な条件で走行することができるという難点があった。2013年末に予選ルールが廃止された後、翌年からはイベント初日を選手権順から走行することとなった。
さらに2015年シーズンでもレギュレーションが変更され、初日と2日目を選手権順に走行することとなった。それは前日にリタイアしたドライバーたちがラリー2規定を元にイベントに復帰した場合にも適応された。
そして2016年からはラリー2規定で復帰したドライバーも遅れさせて走らせることになったため、選手権トップに位置するドライバーは確実に初日と2日目の第1走者として走ることになった。
2017年にそのレギュレーションが変更され、2014年に採用していた"2日目以降はリバーススタートを行うシステム"が再び復活している。
この記事について
シリーズ | WRC |
ドライバー | セバスチャン オジェ |
執筆者 | David Evans |